〜〜注目したい相鉄・JR直通線が開業&新ダイヤ発表〜〜
2週間後の11月30日に、待ちに待った相模鉄道とJR東日本の路線を結ぶ「相鉄・JR直通線」が開通する。これに合わせて先ごろ報道陣を乗せた試運転電車が運転された。
本サイトでは、これまで何度か相模鉄道の話題をお届けしてきた。新線の開業後には相模鉄道の二俣川駅(ふたまたがわえき)と新宿駅が最短44分で結ばれる。試運転電車に乗車すると、これまで見ることができなかった路線模様がチェックできた。今回は、相互乗り入れで楽しめる路線の風景を中心に、新線の気になるポイントに迫ってみた。
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【はじめに】20年の歳月を経て誕生する相鉄・JR直通線とは
新線計画が机上に上がったのは2000(平成12)年1月27日のことだった。運輸政策審議会答申第18号で、2015年までに東京圏で整備すべき路線として、相鉄の二俣川駅〜横浜駅〜大倉山駅(東急東横線)間を結ぶ「神奈川東部方面線」の計画が含まれていた。当初、東急東横線との相互乗り入れに関しての新線計画だったが、2004(平成16)年秋に相鉄から、JR東日本との「相鉄・JR直通線」の構想が公表された。
その後に神奈川県、横浜市も加わり、調整が進んでいった。2006年に国土交通省に営業構想の認定を申請、2009年10月20日、国土交通省から工事施工認可を受ける。そして2010年3月25日に相鉄・JR直通線の起工式が行われた。
新線が計画されてから、工事が着手されるまでに丸10年。起工してから9年と、ほぼ20年かけて、この11月30日の完成に至るわけである。都市計画がプランニングされてから完成まで、いかに時間を必要とするかが良くわかる。
今回、誕生する新線の長さは2.7km。西谷駅(にしやえき)から新駅の羽沢横浜国大駅(はざわよこはまこくだいえき)間の距離は2.1km。羽沢横浜国大駅の先で東海道本線の支線・東海道貨物線と連絡する。JR東日本の路線から相鉄内へ乗り入れる列車は相鉄本線の終点、海老名駅まで走る。一方、相鉄からJR東日本の乗り入れる列車の多くは新宿駅止まりだが、一部の電車は先の、赤羽駅、大宮駅、川越駅などの駅まで直通運転が行われる。
相互乗り入れに使われる電車は相鉄が新型の12000系、JR東日本が埼京線用の緑の帯、E233系7000番台が使われる。車両の運用形態がどのようなになるかは不明だが、相鉄、JR東日本の車両にかかわらず、乗り入れ運転を行うことになりそうで、東京都内はもちろん、埼玉県内でも相鉄電車が走る姿を見ることができそうだ。
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【気になる路線模様①】西谷駅に新宿駅行き電車が滑り込む
筆者が8月末に西谷駅を訪れた時には、1番線・4番線ホーム(相鉄・JR直通線用)側には、仕切りが設けられていた。そして最終工事が進められていた。およそ3か月後の試乗会の日には、仕切りもすっかり取り払われ、あとは開業を待つのみとなっていた。
待ちに待った試運転電車が、西谷駅の新線用4番線ホームに滑り込んできた。試運転電車は最初に誕生した12000系の第一編成だった。
駅に入線するシーンを撮影した報道陣を、あわただしく乗せ、まもなく試運転電車が新宿駅へ向けて発車した。
【気になる路線模様②】西谷駅を発車してすぐにトンネルへ入る
これから先、写真を中心に路線模様を見ていきたい。一部は過去に撮影したものを織り交ぜて紹介していこう。
西谷駅から発車した試運転電車。右手に横浜駅へ向かう相鉄本線を見つつ、すぐに新線区間の西谷トンネルへ入る。走行はもちろんスムーズ。トンネルへ入りどんどん進んでいく。まもなく新しい駅の光が先方に見えてきた。
すでにこうした新線を使っての習熟運転は7月から始まっていた。そうした試運転の様子を西谷駅の近くの跨線橋から捉えたのが下の写真だ。本線をはさんで上り新線は左側を入っていく。一方、下り新線は右手から出てくるという構造だ。