【くまでんの秘密⑦】最初の駅はレトロ感が半端ない黒髪町駅
藤崎宮前駅から乗車3分ほどで次の黒髪町駅へ到着した。ホーム一つの小さな駅。駅舎は下の写真のとおりだ。レトロ感が半端ない。それでも前に訪れた時の駅名標は、きれいな番号入りのものに変更されていた。
熊本電鉄は鉄道部門の赤字が長年にわたり続いている。他のバス、不動産業などにより成り立っている会社だ。この駅舎もその苦労がしのばれる。
黒髪町駅という名を見て、ちょっと気になる方もいるのではないかと思う。調べると単純に、熊本市内に黒髪町という町名があるため、この駅名になったのであって、深い理由は見つからなかった。駅構内に、髪が気になる人に恩恵がある黒髪神社などがあれば受けるのでは、と勝手に思ってしまう。
ちなみに熊本県のお隣、佐賀県武雄市には黒髪神社があり、五穀豊穰、交通安全のほか、諸願成就の神様とされる。諸願成就とあるので、髪の悩みにご利益もあるとされている。
【くまでんの秘密⑧】北熊本駅は車庫など見どころいっぱい
始発駅の藤崎宮前駅から2つめ、北熊本駅へ到着した。同駅は熊本電鉄の拠点となる駅で鉄道本部や運転士の詰め所などの施設が同駅内にある。
駅舎も熊本電鉄の駅の中では最もしっかりした造りとなっている。駅は太平洋戦争後の1949(昭和24)年に造られた。軌道線から鉄道線に変更するにあたり路線を西側に移動させ、同地に移っている。
ホームは2面、線路は3線あり、駅舎側から1番線が藤崎宮前方面、2番線が御代志方面、3番線が上熊本方面行きの電車が発車する。北熊本駅は上熊本駅へ向かう列車の乗換駅で、ほとんどの列車が、乗換しやすい時刻に設定されている。同駅で接続しない列車は、駅の時刻表にも記述されているのですぐ分かる。
上熊本方面への列車が出発する3番線に並ぶように北熊本車庫がある。そこには前述したような現役車両と、貴重な保存された車両が停まっている様子が見える。例年、10月末の土曜日には、ふれあい祭りを開催、車庫内が公開される。さらに一般向けの運転体験も定期的に開かれている。
ホームや駅周辺からも十分に車庫内は見えるが、車両により近づいて見たい時には、こうした公開日に訪れてみてはいかがだろう。
北熊本駅の駅舎は国道3号側にある。西側には出口がない。西側には坪井遊水公園がある。駅の北側にある踏切を経由しなければいけないが、この公園内には、熊本電鉄の線路沿いに遊歩道が設けられている。駅や車庫、そして菊池線の線路を見ながらの歩くのも楽しい。やや線路から離れる箇所があるものの、菊池線の2つ先の打越駅まで歩くことができる。