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2020/3/1 19:00

「ひのとり」誕生で注目集まる「近鉄特急」その車両の魅力に迫る

【近鉄特急に迫る④】南大阪線・吉野線を走る特急車両は?

近鉄の路線は標準軌(1435mm)の路線が多い。これまで紹介してきた特急用の車両もすべてが標準軌用だ。一方、JRの在来線と同じ1067mmという路線がある。それが大阪阿部野橋駅〜吉野駅間を走る南大阪線、吉野線だ。線路の幅が異なるため、南大阪線、吉野線専用の車両が走る。

 

「近鉄特急」の中では特異な存在と言って良いだろう。標準軌の路線を走る同タイプの車両のほかに、専用の特急車両も走っている。こちらも見ておこう。

↑26000系さくらライナー。吉野の桜をイメージしたロゴが車体に描かれる。4両のうち、1両はデラックス車両となっている

 

↑さくらライナー以外の南大阪線、吉野線の特急に使われる車両。同路線でもACE(エーシーイー)、Ace(エース)という愛称を持つ車両が活躍する

 

 

【近鉄特急に迫る⑤】イメージを大きく変えた特急「しまかぜ」

ここまで近鉄特急として走る主な特急車両を紹介してきた。しかし、まだ紹介していない車両がある。それは50000系「しまかぜ」と、16200系「青の交響曲(シンフォニー)」だ。いずれも“観光特急”という位置づけだ。

 

中でも50000系「しまかぜ」は、近鉄特急を大きく変えた車両と言って良いだろう。「しまかぜ」はカフェ車両とグループ席車両をのぞき、客席すべてがプレミアムシートという豪華な車両となった。座席には本革を使用している。展望が楽しめるハイデッカー車両と、一般的な構造の平床車両の他に、グループ向けのサロン席や、和・洋の個室を用意。また2階建てのカフェ車両も連結している。

 

2013年に大阪難波駅〜賢島駅間と、近鉄名古屋駅〜賢島駅間の運転を開始。さらに2014年からは京都〜賢島駅間の運行も始められた。運転開始以来、観光シーズンには予約が取れないほどの人気の観光特急となっている。

↑50000系「しまかぜ」。6両編成で両先頭車両はハイデッカー構造のプレミアム車両。大阪便の場合は3号車がカフェ車両、4号車がグループ席車両(サロン席・個室)と贅沢な編成になっている

 

「しまかぜ」と同じく観光特急として走るのが「青の交響曲(シンフォニー)」だ。こちらは南大阪線・吉野線を走る特急で、車内でスイーツや、軽食、ドリンク・アルコール類が楽しめる。大阪阿部野橋駅〜吉野駅間が1時間16分とほどほどの乗車時間、料金も運賃プラス大人730円(特急料金520円+特別車両料金210円)と手軽さが魅力となっている。吉野名物の桜・紅葉のシーズンともなるとこちらも予約が取り辛くなる。

↑16200系観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」。3両編成で1・3号車は座席車両、2号車が高級ホテルをイメージしたラウンジ車両となっている

 

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