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2020/3/2 21:30

「小さい」ではなく「Tさい」のワケは?VW待望の新作コンパクトSUV「Tクロス」を徹底チェック

室内空間や荷室などのパッケージングは、トップクラスの完成度

デザインパッケージを採用したTSI 1st Plusは、インテリアもTSI 1stよりカジュアルな仕立てになります。高いサポート性も期待できるスポーツコンフォートシートは、組み合わせに応じてオレンジ、グリーン、グレーのアクセントが入るほか、インパネ回りのトリムにもグラフィカルなデザインを採用。特にオレンジのアクセントカラーを選べば、従来のVWとは異なる風情も愉しめるでしょう。

↑写真は、デザインパッケージのオレンジを選択した際のインテリア。TSI 1st Plusでは、ステアリングのパドルシフトやインテリアアンビエントライトも追加で装備されます

 

↑最新モデルらしく、コネクテッド系の装備も充実。スマホのワイヤレスチャージングやUSBポート(前席用2つ、後席用2つ)も標準で備わります

 

そして、Tクロスが謳う「Tさい」のゆえんを一番強く実感できるのが、この室内回りです。ボディは前述のようにコンパクトですが、ポロよりおよそ100mm着座位置が高く、視界の良い前後シートはサイズ以上の広さ感を獲得。特に最大140mmの前後スライド機能が与えられた後席は、一番後方にセットすると余裕タップリの足元スペースを稼ぎ出し、大人の移動空間として十分以上の広さが確保されます。また、一番前にスライドさせても足元には実用的な空間が残されるので、積載する荷物に応じてフレキシブルに使えることも魅力のひとつといえるでしょう。

↑シートはデザインパッケージの選択に応じて表皮に同色のアクセントが入ります。また、TSI 1st Plusの前席はホールド性に優れたスポーツコンフォートシートが標準に

 

↑前後で140mmのスライド機構が備わる後席は、着座位置も高く絶対的な広さも十二分

 

↑写真は後席を一番前にスライドさせた状態。中央はともかく、両サイドであれば足元スペースは大人でも座れる広さが確保されます

 

床面の高さが2段階から選べる荷室も、コンパクトSUVではトップクラスの広さを誇ります。後席を最後端にセットしても容量は385L。一番前にスライドさせれば455Lにまで拡大し、後席を完全に畳めば最大容量は1281Lに達します。この数値は、同クラスのプジョー2008(360~1172L)やボディがTクロスより大きなホンダ・ヴェゼル(通常時が393L)を上回るもの。ライバルで対抗できるのはシトロエンC3エアクロス(410~1289L)ぐらいといえば、どれほど広いかお分かりいただけるでしょう。さすがに兄貴分のティグアン(615~1655L)にはかないませんが、SUVとして満足度の高い使い勝手であることは間違いないでしょう。

↑床面の高さが2段階から選べる荷室は、後席使用時でも385~455Lの容量。コンパクトSUVではトップクラスの広さです

 

↑写真は、6:4の分割可倒式となる後席を完全に畳み床面を上段にセットした状態。最大容量は1281Lにまで拡大します

 

導入記念の特別仕様、ということもありますがTクロスは装備も充実しています。8インチタッチスクリーンを組み合わせたインフォテインメントシステムの「ディスカバー・プロ」はグレードを問わず標準で装備され、モバイルオンラインサービスの「フォルクスワーゲン・カーネット」にも対応。スマホ的インターフェイスで、ナビゲーションを筆頭とするさまざまな機能を利用できます。

↑フルセグ地上デジタルTVチューナー、iPod/iPhone /音楽再生(MP3、WMA、AAC)、Bluetoothオーディオ/ハンズフリーフォンにも対応

 

また、最新モデルらしく運転支援系の装備はVWの上位モデル並み。全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールやプリクラッシュブレーキシステム(歩行者検知機能付きの衝突回避・被害軽減ブレーキ)、後方死角検知機能のブラインドスポットディテクション、駐車可能スペースの検知とステアリング操作を自動で行なうパークアシスト(駐車支援システム)などは全グレードで標準化。TSI 1st Plusでは、さらに車線逸脱を検知するとステアリング補正を行なうレーンアシストと、対向車のライトを検出してヘッドライトの照射角度を自動調整するハイビームアシストも標準装備となります。

 

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