室内空間や荷室などのパッケージングは、トップクラスの完成度
デザインパッケージを採用したTSI 1st Plusは、インテリアもTSI 1stよりカジュアルな仕立てになります。高いサポート性も期待できるスポーツコンフォートシートは、組み合わせに応じてオレンジ、グリーン、グレーのアクセントが入るほか、インパネ回りのトリムにもグラフィカルなデザインを採用。特にオレンジのアクセントカラーを選べば、従来のVWとは異なる風情も愉しめるでしょう。
そして、Tクロスが謳う「Tさい」のゆえんを一番強く実感できるのが、この室内回りです。ボディは前述のようにコンパクトですが、ポロよりおよそ100mm着座位置が高く、視界の良い前後シートはサイズ以上の広さ感を獲得。特に最大140mmの前後スライド機能が与えられた後席は、一番後方にセットすると余裕タップリの足元スペースを稼ぎ出し、大人の移動空間として十分以上の広さが確保されます。また、一番前にスライドさせても足元には実用的な空間が残されるので、積載する荷物に応じてフレキシブルに使えることも魅力のひとつといえるでしょう。
床面の高さが2段階から選べる荷室も、コンパクトSUVではトップクラスの広さを誇ります。後席を最後端にセットしても容量は385L。一番前にスライドさせれば455Lにまで拡大し、後席を完全に畳めば最大容量は1281Lに達します。この数値は、同クラスのプジョー2008(360~1172L)やボディがTクロスより大きなホンダ・ヴェゼル(通常時が393L)を上回るもの。ライバルで対抗できるのはシトロエンC3エアクロス(410~1289L)ぐらいといえば、どれほど広いかお分かりいただけるでしょう。さすがに兄貴分のティグアン(615~1655L)にはかないませんが、SUVとして満足度の高い使い勝手であることは間違いないでしょう。
導入記念の特別仕様、ということもありますがTクロスは装備も充実しています。8インチタッチスクリーンを組み合わせたインフォテインメントシステムの「ディスカバー・プロ」はグレードを問わず標準で装備され、モバイルオンラインサービスの「フォルクスワーゲン・カーネット」にも対応。スマホ的インターフェイスで、ナビゲーションを筆頭とするさまざまな機能を利用できます。
また、最新モデルらしく運転支援系の装備はVWの上位モデル並み。全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールやプリクラッシュブレーキシステム(歩行者検知機能付きの衝突回避・被害軽減ブレーキ)、後方死角検知機能のブラインドスポットディテクション、駐車可能スペースの検知とステアリング操作を自動で行なうパークアシスト(駐車支援システム)などは全グレードで標準化。TSI 1st Plusでは、さらに車線逸脱を検知するとステアリング補正を行なうレーンアシストと、対向車のライトを検出してヘッドライトの照射角度を自動調整するハイビームアシストも標準装備となります。