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2020/3/15 18:54

海と楽しいキャラクターが迎える「ごめん・なはり線」――心ときめく12の秘密

【ごめん・なはり線の秘密⑥】あかおか駅に全キャラクターが揃う

筆者は全線を乗車し、往復するとともに、後日には全駅を巡り全キャラクターと出会いに訪れた。20駅あるので、全駅巡りはなかなかハードだった。

 

もし、多くのキャラクターを出会いたいと思う方には、あかおか駅で下車することをおすすめしたい。同駅の高架下にはキャラクター広場が設けられ、ここにやなせさんが生み出した各駅のキャラクターが納められる。駅以外のキャラクターも何体かある。やなせファン必見の駅といって良いだろう。

↑あかおか駅の高架下に設けられたキャラクター広場。20駅のキャラクターが勢揃い。さらに地元・赤岡のキャラクターも飾られる

 

本稿では、主要駅のキャラクターの紹介とともに、全駅のキャラクターを2枚の写真にまとめてみた。それぞれ味わい深い顔立ちをしている。

 

20ある駅の中で興味深かったのは田野駅のキャラクターは「田野 いしん君」。幕末に高知で活躍した土佐勤王党の二十三士(田野町の「二十三士公園」で処刑された)をモチーフにしている。キャラクター作りには、沿線の歴史にもしっかりと目を向けているわけである。

↑立田駅から和食駅までのキャラクター。みなキャラクターの名前にさりげなく駅名が織り込まれている

 

↑こちらは赤野駅から田野駅まで。各駅のキャラクターはホームページ「ゴトゴトweb」に解説があるので参考にしていただきたい

 

ちなみに沿線出身の偉人も多い。たとえば三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎は安芸駅の北3kmの場所に生家がある。坂本龍馬とともに薩長同盟に奔走した中岡慎太郎は、田野駅がある田野町に隣接する北川村の出身だ。前述したごめん・なはり線を走る「しんたろう号」「やたろう号」という列車名は、この2人の偉人の名を元にしている。

 

 

【ごめん・なはり線の秘密⑦】踏切が少なめの高架構造の路線

ここからは路線の案内に話を進めたい。

 

ごめん・なはり線の起点は後免駅。列車の半分以上はJR高知駅までの乗入れ列車で便利だ。ちなみに起点の後免駅から奈半利駅までの片道運賃は1080円。往復する時には乗り放題のフリーきっぷ1670円を利用すればお得だ。なおJR線内の高知駅〜後免駅間では、フリーきっぷが利用できない。

 

起点の後免駅からすぐに高架区間へ入る。南国市の市街を眼下に眺め、次の後免町駅に到着する。この駅は、とさでん交通後免線の後免町停車場に隣接しており乗換に便利だ。後免町駅とすぎると、郊外の印象がより強くなる。

 

ごめん・なはり線は踏切が少なめの高架線構造の区間が大半を占める。踏切はごく一部にあるのみだ。そうした構造を活かし、最高時速は110kmと速めだ。沿線にはビルが少なく高架上を走る左右どちらの窓からも景色が楽しめる。これが同路線の大きな魅力となっているといって良いだろう。

↑後免駅からすぐに高架区間を走る。ちょうど黄色に黒ストライプの阪神タイガース応援列車が後免町駅付近を通過した

 

 

【ごめん・なはり線の秘密⑧】あかおか駅から海景色が素晴らしく

物部川橋梁を渡ると香南市(こうなんし)へ入る。のいち駅は香南市の玄関口だ。駅近くにお店もあり賑やかだ。この先、周辺に田畑が多くなる。次のよしかわ駅を発車後、しばらくすると、土佐湾が見えてくる。赤岡漁港を眼下に眺めつつ、あかおか駅に到着する。この駅は前述したように高架下に全駅のキャラクターを納めたキャラクター広場がある。

 

このあかおか駅からはトンネル区間を除き、ほぼ土佐湾沿いに走り始める。あかおか駅から先、西分駅(にしぶんえき)から赤野駅付近までは、とくに海の眺めが素晴らしい。もしオープンデッキ車両に乗車したならば、ぜひデッキに出て、土佐湾の展望と、潮風を体感していただきたい。

↑赤野駅〜穴内駅間の旧安芸線跡を活かしたサイクリングロードからの撮影。空気が澄んでいる日には遠く高知県西南部も望める

 

↑夕方にごめん・なはり線に乗車すれば車内から土佐湾越しに沈む夕陽を楽しむことができる
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