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2020/3/22 18:30

2020年の春どう変わったのか?ダイヤ改正を経た「鉄道貨物輸送」を追う

【鉄道貨物新時代⑥】運用の傾向があまり変わらなかったEF64

EF65やEF64とともに気になるのはEF64形式電気機関車の動きだろう。長年、山岳路線用の主力牽引機として活躍してきた。JR貨物の機関車はすべて1000番台と新しい車両が使われるものの、それでも40年近い車歴を持つ。

 

今年の車両数は35両と前年と変わりがない。また運用区間も配置される愛知機関区(愛知県稲沢市)がある東海道本線や、中央西線、伯備線(はくびせん)、また首都圏まで一部が走り、鹿島サッカースタジアム駅までの1往復も、これまでのどおり運用が続けられる。

 

EF64の今後は、おもな活躍の場となっている中央西線内で、新型機関車への変更が検討され始めた時が次の節目となりそうだ。

↑全般検査の際に国鉄原色に戻されたEF64。東海中部地方を中心に、西は伯備線、東は成田線など広域で働き続けている

 

 

【鉄道貨物新時代⑦】希少なDD51の運用はさらに減少気味に

今、最も消滅が危惧される機関車といえばDD51形式ディーゼル機関車と言って良いだろう。国鉄時代、全国の路線の無煙化にあたり大きな役割をした機関車でもある。筆者もこの3月で、どのぐらい運用が減るのか気になっていた。

 

2020年2月1日現在、配置は愛知機関区のみで、7両が在籍する。昨年と比べると5両が減ってしまった。さらに最新の運用状況を確認すると857号機、1028号機、1801号機、1802号機の4両のみと心細い状況になっている。

 

ダイヤ改正後の運用は、関西本線の稲沢駅〜四日市駅間の3往復のみという状態となっている。その運用も、後継のDF200形式ディーゼル機関車の増備で微妙な状態になりつつある。

↑稼働している車両のうち唯一の三桁ナンバーの857号機。名古屋貨物ターミナル駅〜稲沢駅間の運用も日に1往復のみ残っている

 

↑国の重要文化財に指定される四日市港の末広橋梁(可動橋)。現在通る列車はすべてDD51からDF200の牽引に代わっている

 

愛知機関区のDF200の増備が順調に進んでいることもあり、JR貨物のDD51の引退は秒読みに入ったといって良さそうだ。間違いなく今のうちに見ておきたい、撮っておきたい車両となった。

 

 

【鉄道貨物新時代⑧】EF210-300番台の活動範囲が広がる

徐々に活動範囲が狭まる国鉄形機関車に対して、新製機関車の活動範囲が広がっている。最も顕著なのがEF210形式300番台直流電気機関車であろう。

 

この車両は、山陽本線の急勾配区間、瀬野駅〜八本松駅間(通称セノハチ)で、列車の後ろに連結する補助機関車(補機)として新製された。増備され、2月1日現在、計15両が吹田機関区に配置される。本来のセノハチ区間がある広島貨物ターミナル駅〜西条駅間で、後部に連結されるだけでなく、すでに山陽本線を中心に貨物列車の牽引にも活躍してきた。

 

この春のダイヤ改正からは新鶴見信号場までの入線が確認されている。最新の貨物時刻表の「機関車運用表」では大阪地区までの入線となっているものの、どうやら吹田機関区の他のEF210と共通運用されているようである。黄色いラインがEF210-300番台の特徴だが、首都圏でもごく普通に見られる時代が訪れたようだ。

 

ちなみにこの春からEF210、愛称“エコパワー桃太郎”にもキャラクターイラストが貼られるようになった。これまでEH500形式のみ金太郎のイラストが付けられていたが、EF210には桃太郎のイラストが付いてなかった。そこで新たに桃太郎のイラストを付けることがJR貨物から発表された。すでに1両、最新の316号機のみ、イラスト入りで吹田機関区に配置された(3月19日現在、316号機はまだ運用に付いていない)。今後、EF210は検査時のお色直しに伴い、桃太郎のイラストが貼られる。子どもたちに人気の貨物用機関車。また新たな人気者となりそうである。

↑FE210-300番台は山陽本線の運用のみに限定されず、東海道本線でもその姿を見かけるようになってきた

 

EF210-300番台の活躍に対して、気になるのがEF67形式直流電気機関車の存在だ。EF67は、広島貨物ターミナル駅〜西条駅間の後押し用の補助機関車として長年活躍してきた。

 

現在残るEF67は101号機、102号機、105号機の3両のみだ。深夜から早朝を走る上り貨物列車の後押しを行っている。その活動はこの春以降も続けられている。とはいえ3両のみの少所帯となったこともあり、次回の検査時に引退ということになる可能性も高い。

↑広島貨物ターミナル駅から西条駅まで上り列車の後押し役を果たしてきたEF67。3両のみとなり、その行く末が案じられる
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