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2020/4/12 18:30

【保存版】2020年春までに登場した「鉄道新型車両」をずらり紹介【西日本編】&【貨物編】

【これから登場する新型車両(予定)】

2020年はこれまで見てきた以外にも、新型車両の投入が多く予定されている。これから登場する新型車両の情報を見ていこう。ちなみに運行開始日は、変わる可能性もあり、ご注意いただきたい。

 

JR東海N700S新幹線電車 

−2020年7月1日運行開始−

↑N700Sの確認試験車J0編成。連日、東海道・山陽新幹線を使っての性能検査および耐久試験が行われている。7月まで5編成が揃う予定

 

13年ぶりのフルモデルチェンジ車両がとうとう走り出す

東海道・山陽新幹線の主力車両といえば、2007年に生まれたN700系。その後の2013年にマイナーチェンジ車両のN700Aが登場し、既存のN700系も改修されてタイプAとなっている。

 

2020年7月に登場予定のN700Sは、N700という形式名が付くものの、13年ぶりにフルモデルチェンジされた車両だ。後ろに付く「S」は「Supreme(最高の)」を意味する。その言葉のとおり「安全性、安定性、快適性、環境性能」といった面で「最高レベル」を利用者に提供することを目指している。

 

N700Sの確認試験車J0編成は2018年3月に新造され、2年にわたり性能試験が続けられてきた。試験で得られた結果をフィードバックした量産車の第1編成、J1編成も誕生しつつある。2020年7月1日の正式デビューまでに16両×5編成が製造され、年内には計12編成が走り出す。最終的にN700Sは40編成が造られる予定だ。

 

東武鉄道 東武・日比谷線用70090型電車

2020年6月6日運行開始−

東武鉄道と東京メトロがダイヤ改正される6月6日からの運行予定の新型車両。同線初の座席指定制列車(有料着席サービス)となる。上りは東武伊勢崎線・久喜駅発、東京メトロ日比谷線の恵比寿駅行で計2本を運行。下りは霞ケ関駅発、久喜駅行が計5本運行される。愛称は「THライナー(ティーエイチライナー)」で、座席指定制列車として走る時には、ロングシートをクロスシートに向きを変えて使われる。

 

しなの鉄道 SR-1系電車

2020年7月に導入予定−

しなの鉄道は長野県内を走る旧信越本線の路線を引き継いで列車を走らせてきた。これまでJR東日本から譲渡された115系を走らせてきたが、初めて新造車両の導入を開始する。

 

新型車両はJR東日本の新潟地区を走るE129系と同タイプのSR-1系で、2020年にはまずライナー用車両の2両×3編成が導入される。ライナー用車両は、朝夕の時間帯にはクロスシートの有料ライナー(土休日の観光用としても運行)として運行、それ以外の時間帯はロングシートに転換して、一般列車として走る。2026年度までには計52両(2両×26編成)が導入される予定で、増備に合わせてこれまで使われてきた国鉄形の115系は徐々に引退となる。

 

JR東日本 横須賀線・総武快速線用E235系電車

2020年度に導入予定−

横須賀線・総武快速線はこれまでE217系が使われてきた。1994年に導入が開始されてからすでに30年近く走り続けてきたことになる。このE217系の置き換え用として2020年度から新型車両が導入されることになった。両線向けに新造されるのはE235系電車。E235系といえば山手線をすでに走っているが、この山手線に次いで横須賀線・総武快速線に、この最新車両が導入されることになった。E235系初となるグリーン車も連結される。同車両には、普通列車のグリーン車としては初めての各座席に電源コンセントが装着される予定だ。

 

新造されるのは11両×51編成、増結用の4両×46編成の合計745両にもなる。導入に従い既存のE217系に置き換えが始まる。

 

JR西日本 117系電車「WEST EXPRESS 銀河」

2020年5月8日運転開始(※延期を発表)

かつて東海道・山陽本線の看板列車「新快速」用に造られた117系。同車両が現代風に、また長距離列車用にアレンジされ「WEST EXPRESS銀河」として登場する。

 

濃紺に塗られた渋い趣の“新”117系は、車内の造りも凝っている。6両編成で、うち2両がグリーン車となる。グリーン車の1号車はシートタイプ、6号車は個室が設けられた。夜行列車としても走ることから、ベッドに変更できる仕組みが取り入れられた。

 

ほか3両は普通車で、2号車が女性専用座席、3号車がリクライニングシート20席とファミリーキャビン(コンパートメント)が2室、5号車はかつての2段式寝台を現代風にアレンジしたタイプで「クシェット」と名付けられた。ちなみに4号車はフリースペースとなっていて、乗客が自由に利用できる。

 

運行は5月8日から(※延期が発表され運行開始日は未定に)。まずは京都駅・大阪駅〜出雲市駅間を夜行特急列車として走る。9月まで同区間を走る予定だ。さらに10月以降、2021年3月までは大阪駅〜下関駅間を昼行特急列車として走る。いずれも週に2往復する予定だ。ちなみに普通車は、現行の特急指定席料金と同額。1号車のグリーン車指定席は現行のグリーン料金と同額、グリーン個室は新たに料金を設定される。これまでの列車とは異なる気軽に楽しめる夜行特急列車となりそうだ。

 

京阪電気鉄道3000系プレミアムカー

2020年度に導入予定−

大阪と京都を結ぶ京阪電気鉄道京阪本線。同線には看板列車として京阪特急が走る。使われる8000系10編成には2017年8月から有料の座席指定特別車両の「プレミアムカー」が1両連結された。京阪特急には8000系以外にも3000系が使われている。

 

2020年度中に、この3000系にプレミアムカーが連結される。6編成にプレミアムカーが連結される予定で、導入後は、日中に走る1時間あたり上下6本すべての特急列車が「プレミアムカー」付きとなる。

 

JR西日本 キハ40系「etSETOra」

2020年10月に運行開始−

秋に行われる予定の「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」。同イベントに合わせて新しい観光列車「etSETOra(エトセトラ)」が山陽本線の宮島口駅〜尾道駅間(呉線経由)を走り始める。「etSETOra」はラテン語の「その他いろいろ」を元にした列車名。広島弁では「えっと」とは「たくさんの」「多くの」という意味もあるという。「etSETOra」で瀬戸内海でいろいろな魅力を感じ、味わってほしいという思いが込められる。

 

これまで呉線にはキハ40系気動車を改造した臨時観光列車「瀬戸内マリンビュー」が走っていた。同列車は2019年暮れに運転終了している。新型観光列車「etSETOra」は、同車両を現代風に再改造したもの。元の車両はやや古くとも内外装を変え、再び活かそうという観光列車なのである。

 

JR四国 キハ185系「時代(トキ)の夜明けものがたり」

2020年4月18日運行開始(延期の予定)−

高知駅と土讃線の窪川駅を結ぶ新観光列車「時代の夜明けものがたり」。土佐流のおもてなしが楽しめる列車となる。車内では創作洋風料理や、“土佐流のおもてなし”コースの提供もある(食事代は別料金)。

 

車両はキハ185系を改造した2両編成。1号車はBOX席と「高知家の団らんシート」と名付けられたグループ座席が主体で、「KUROFUNE(クロフネ)」と名付けられた。2号車は窓側を向いた1〜2名用座席が並ぶ車両で、「SORAFUNE(ソラフネ)」と名付けられた。

 

運転日は土日祝日と、7月以降には毎週金曜日も運転の予定だ。運転開始日は4月18日(土曜)からと発表されていたが、残念ながら新型コロナウィルスの感染が広まりを見せたことから、延期が発表されている(運転再開日は未定)。

 

JR九州 787系電車「黒い787『36ぷらす3』」

2020年秋の運行開始−

JR九州が約3年半ぶりに登場させるD&S(デザイン&ストーリー)列車が「36ぷらす3(さんじゅうろく ぷらす さん)」。九州は世界で36番目に大きな島で、さらに36に3をプラスすれば「39(サンキュー!)」となる。JR九州ではこの列車の運行で、39(サンキュー!)=感謝の和を広げたいとしている。

 

使われる車両は787系特急形電車で、6両全車がグリーン車に改造される。車内には“ビュッフェ”も設けられる。運行は秋からの予定で、火曜・水曜をのぞき、JR九州の主要路線と、肥薩おれんじ鉄道の路線を使って九州全県を巡る。

 

なかなか楽しい列車が登場しそうな2020年だが、一部の新型車両は新型コロナウイルスの広まりを考え、運転開始時期を延期するという発表が行われた。鉄道の旅を存分に楽しむためにも、騒動の少しでも早い終息を願うばかりである。

 

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