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2020/4/19 18:30

新型感染症の流行に「苦悩する鉄道」−−列車運休から駅なか営業まで気になる情報を調べた

【苦悩する鉄道⑤】通勤・通学の足も週末は減便の流れが強まる?

これまで大都市内の路線では曜日にかかわらず通常のダイヤが守られてきた。ところが、これも今後は変わる可能性が出てきた。

 

まずは大阪でそうした動きが見られた。大阪市内を走る大阪メトロでは、4月11日〜12日の週末に、御堂筋線など多くの路線で2割程度の減便が行われ、注目された。週明けには「外出抑制には一定の効果があった」という報道が行われた。4割以上の乗客が減少したとされる。18日・19日の週末も運行本数を2割程度減らすことが16日に発表された。心配されるような乗客の集中による混雑は見られなかったということなのだろう。

↑4月11日・12日の週末に2割の減便が行われた大阪メトロ御堂筋線。こうした動きは全国に広まるか注目したい

 

こうした減便はJR北海道とJR九州の路線でも発表されている。JR北海道では5月16日〜31日間、札幌駅〜新千歳空港駅感を結ぶ「快速エアポート」の8往復減便を発表した。

 

JR九州では、鹿児島本線の門司港駅〜久留米駅間を走る快速列車を中心に計96本が運休、また区間運休される列車が出ている。ほか福北ゆたか線の博多駅〜直方駅(のおがたえき)間を走る快速・普通列車を中心に計188本、筑肥線の筑前前原駅〜西唐津駅間で計80本が運休される。いずれも4月18日から5月10日の土・日曜日、休日の運休本数で、今後、他路線にも波及する怖れが出てきた。

 

JR北海道やJR九州の実施例は、大阪メトロのように、全国ニュースでは報道はされてはいないものの、自然災害以外で、こうした普通列車が運休されるケースは、JRグループの中では異例のことと言って良いだろう。

 

【苦悩する鉄道⑥】各地を走る観光列車がほぼ運行休止に

他に注目したいのは、観光列車の減便状況だ。JR各社のみならず、大手私鉄、地方私鉄、第3セクター鉄道にいたるまで、少なくとも5月の連休明けまで、ほぼすべての観光列車が走らない。鉄道ファンに人気のSL牽引の列車まですべてだ。豪華さを売りにしたクルーズトレインも運休となる。乗車を楽しみにしていた人にとって大変に残念なことだろう。

 

観光列車は、地方の観光振興に一役かっている。一部は、普通列車の運行の少なさを補完する役割をする列車もある。

 

例えばJR五能線を走る「リゾートしらかみ」。五能線は日中の普通列車が3時間〜6時間、走らない区間がある。運賃以外に指定席料金(530円)が必要となるものの、閑散区間では大切な移動手段として使われてきた。この減便により不便さがますます増していく。非常時とはいえ、一部のローカル線にとってはつらい状況が訪れている。

↑普通列車の本数の少なさを補完した五能線の人気観光列車「リゾートしらかみ」。最盛期には写真の橅(ブナ)編成を始め3編成が走る

 

人気で、予約が集中した観光列車も多かった。新型感染症のためとはいえ、せっかく盛り上がった観光列車人気に水を差すことにならないことを祈りたい。

 

この観光列車の運休はひとまず5月末までというところが多い。JR北海道の観光列車「くしろ湿原ノロッコ」号などでは、6月に運行の予定となっているが、指定席の発売を当面見合わせるとしている。終息が見えないだけに、各社ともこうした対応を取らざるを得ない状況となっている。

↑釧路駅〜塘路駅(とうろえき)間を走る「くしろ湿原ノロッコ」号。車内から大自然が楽しめると人気も高いが、6月中の指定席販売は見合わせている
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