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2020/9/11 20:00

スマートなデザインと機能で注目を集める「VanMoof X3」に乗ってみた

最近、注目度が高まり、選択肢も急増しているe-Bikeと呼ばれるスポーツタイプの電動アシスト自転車。そんな中でも異彩を放っているのがオランダ生まれのVanMoof(バンムーフ)というブランドです。一見すると電動アシスト付きには見えないデザイン、そしてスマホ連携や盗難防止などの先進機能を搭載し、従来の自転車の枠を超えたモデルをリリースしているのが注目を集める理由。そんなブランドの最新モデル「VanMoof X3」に乗って、その魅力を味わってみました。

↑「VanMoof X3」25万円(税込)

 

街に似合う独自デザインの車体

VanMoof X3は24インチという小さめのタイヤを採用したモデルです。同ブランドには「VanMoof S3」という大径タイヤを装備したモデルもありますが、こちらは適応身長が170cm〜となっているのに対して、「X3」は155〜200cmと幅広い身長の乗り手に対応しているのがメリット。そもそも、この「X」シリーズは日本向けに開発され、その後グローバルでも販売されるようになったという経緯があります。

↑フレームが「X」を描く形状となっているのがネーミングの由来。カラーは写真の「ダーク」のほか「ライト」が用意されます

 

↑こちらは「VanMoof S3」。タイヤはロードバイクなどと同じ700Cという径になっています。写真のカラーは「ライト」

 

VanMoofのデザインが注目されるのは、e-Bikeに見えないのに加えて、一般的なクロスバイクとも一線を画する仕上がりとなっていること。それを可能にしているのは、タイヤやチェーンなどの消耗部品以外はほぼ全てのパーツを自社でデザインしていることです。通常の自転車メーカーはフレームデザインは自社で手掛けたとしても、ハンドルやブレーキなどの部品はパーツメーカーから調達するもの。そこまで独自でデザインしているからこそ、ほかのどんな自転車にも似ていないユニークなルックスに仕上がっているのです。

↑モーターは前輪のハブ(車軸)部分に装備されています。電動アシスト付きに見えない理由の1つがコレ

 

↑バッテリーは独特の形状のフレームに内蔵。ただ、取り外しての充電には対応していません。フレームには前後ライトも埋め込まれています

 

↑ハンドルのデザインもステムと一体化した独特のものです。ライド中に視界に入る部分がスッキリしていて好印象

 

↑ブレーキレバーも独自デザインのシンプルなもの。ブランドのロゴも刻印されています

 

↑サドルもオリジナルの一体デザインで、振動吸収ゲルが入っており、座り心地も良好

 

スタイルも街に似合うものですが、装備を見ても一般的なスポーツタイプの自転車に比べると街乗りを重視していることが感じられます。前後ライトがフレームに内蔵されているところもそうですが、前後のフェンダー、フロントにはちょっとした荷物を積めるラックも装備。チェーンにもカバーが付いているので、裾の汚れも防いでくれます。

↑前後ともにフェンダーが装備されているので、タイヤの泥はねで服が汚れる心配がありません

 

↑フロントのラックには、伸び縮みするロープが付いているので荷物を固定できます

 

↑チェーンには全てカバーがされているのも、一般のクロスバイクとは違うポイント

 

↑車体中央部には片足式のスタンドも装備。街乗り自転車には必須のアイテムです

 

走行感やスマホ連携機能もユニーク

実際に走らせようとすると、起動のさせ方からして独特です。左手側のブレーキレバーと一体化したスイッチを押すと電源がONになりますが、起動音とともにフレーム上部に内蔵されたLEDが光り、スタンバイ状態になったことを知らせてくれます。

↑一見するとスイッチに見えないようなデザインのボタンを押すと電源が入ります

 

↑電源がONになると、フレームの上部に浮き出るように「V」のマークが表示されます

 

アシストのモードは4段階。1〜最強の4まで右手側のボタンで切り替えられます。現在のモードは、同じくフレームの上部に表示。走り出すと、この部分には速度が表示されます。ちなみに、変速段数は4段ですが、変速の操作は必要なく、設定された速度になると自動で変速が行われる仕組みです。また、走行中に右手側のボタンを押しっぱなしにすると”ブーストモード”が起動し、アシストモードに関わらず最強のアシストが得られるようになっています。

↑走行中はフレームの上部に速度が表示されます。視線を下に移動する必要があるので、注視するのはオススメしませんが……

 

↑変速機構はオートマチックの4段。速度が出ると自動で変速される感覚が新鮮です

 

↑走行中に右手側のボタンを押しっぱなしにするとブーストモードが起動するので、坂道などで強いアシストが得られます

 

走行感もデザイン同様にかなりユニーク。走り出した瞬間のアシストは抑えめで、自然なアシストフィーリングなのはe-Bikeらしいものですが、速度が乗ってくると自動で変速されるので、走行中はほとんど操作をする必要がありません。e-Bikeに乗っているとモードの切り替えや変速など、意外と忙しく操作をする必要があるのですが、VanMoof X3はそうしたことを忘れて走ることや周囲の風景に集中できました。

↑重量が19kgあることと、太めのタイヤを装備していることもあって、クロスバイクに比べるとやや走行感は重いですが、余計なことを考えずに走れます

 

↑かなり角度のある坂道も登ってみましたが、ブーストモードを使うと難なく登れてしまいました

 

もう1つ、VanMoofがユニークなのはスマホとの連携機能。専用アプリをダウンロードしたスマホとBluetoothで接続することができます。走行距離や走ったルート、速度などを記録できることはもちろん、自動変速のタイミングを好みに合わせて調整することも可能です。面白いのは、盗難防止機能。後輪の軸近くにロック機能が装備されていて、ボタンを押すことで施錠することができるのですが、このロックをスマホの画面で解錠操作ができます。

↑後輪の軸付近にあるボタンを押すと施錠され、動かそうとすると警告音が鳴る仕組み。ボタンは足で蹴ってロックすることもできます

 

↑アプリ画面の中央に表示されるロックマークをタップすると解錠操作が可能。操作後、5秒以内に車体を動かさないと再び施錠されるシステムです

 

↑アプリ上でシフトアップとシフトダウンのタイミングをそれぞれ独立して調整可能。ライトのON/OFFなどもアプリで操作できます

 

個人的には、このロック機能はとてもありがたく感じました。スポーツタイプの自転車やe-Bikeのほとんどは車体にロック機能がないので、出かける際にワイヤーロックなどを持って行く必要がありますが、車体にロックが装備されていると何も持たずに気軽に乗ることができます。また、万一盗難の被害に遭ってしまっても、車体にはGSMの通信機能が搭載されており、VanMoofの「バイクハンター」と呼ばれるスタッフが車体を探し出してくれるのも心強いところ。車体が見つからなかった場合、新車が提供されるというので、自信のほどが感じられます。

↑前後に制動力が高い油圧ブレーキを装備しているのも安心感が高いところ。コントロールもしやすく、慣れていない人にも操作しやすい効き方です

 

ルックスから盗難防止機能に至るまで、強い独自性を感じるVanMoof X3。自転車というよりも、新しい乗り物と呼んだほうがいいかもしれないと思うほどです。乗り味も、スポーツタイプのe-Bikeとはひと味違って、スピードを出してサイクリングロードを飛ばすよりも、街中でよく使う速度域にフォーカスしたような仕上がり。ユーザーを見ても、いわゆる自転車マニアではない層に支持されているようです。自転車の保有台数が人口よりも多く、自転車通勤も盛んなオランダ生まれだけあって、ツーリングよりもよりも街乗りや通勤に向いたモデルです。25万円(税込)という価格はちょっと高く感じられる人もいるかもしれませんが、前モデルが40万円オーバーだったことを考えると、かなりリーズナブルになっています。気になる人は原宿にあるVanMoofのブランドショップで試乗も受け付けていますので、一度乗ってみることをオススメします。

 

 

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