米テスラ製の電気自動車ではアップルのCarPlayが利用できず、車のオーナーらが強く要望しても叶えられる気配がありません。そのため、誰もがテスラ車で(Raspberry Piを経由して)CarPlayを導入できるソフトウェアを公開した人物が現れました。
ポーランドの開発者Michal Gapinski※氏は今年初め、自らのTesla Model 3にCarPlayを導入できた(車本体のタッチパネルを使って操作)ことを報告していました。
Steering wheel controls + current state of #teslaCarPlay on video. Next step is to improve Wi-Fi connection, the stream is 2x smoother when viewed on my laptop pic.twitter.com/0wFFUQQPkx
— Michał Gapiński (@mikegapinski) January 14, 2022
さらに約半年かけて、他の人も使えるソフトウェア「Tesla Android」のアルファ版をGithubに初公開。
First release of @TeslaAndroid is out on https://t.co/YFkhmc5QOf
Sources are available on https://t.co/UHhfaNq8Ow under GNU GPL v3.0
Please use the issue tracker for any install related questions!
Go, run CarPlay or ScanMyTesla directly on the Tesla display! pic.twitter.com/XVtvG2Qvyr
— Michał Gapiński (@mikegapinski) May 7, 2022
この回避策は、LTEモデムとWi-Fi機能を持つRasberry Piを使い、Androidベースのカスタムファームウェアを実行させ、さらにマイクロHDMI-HDMIケーブルとイーサネットケーブルを使ってテスラ車に繋いでいます。つまりRasberry Pi側から出力したCarPlayのインターフェースを車載ブラウザに表示させ、マップやApple Musicなどのアップル製アプリを使えるようにしたわけです。システムは走行中でも動作し、テスラのステアリングホイールにあるメディアボタンで操作もできるそうです。
Gapinski氏は、最新アルファ版の主な狙いはユーザビリティ(使いやすさ)にあると語っています。「このプロジェクトが拡大し、テスラコミュニティで人気を勝ちえるためには、レスポンスのよいAndroid体験を提供する必要があります」とのこと。そうでなければユーザーは使ってくれないため、と説明しています。
現時点では機材の用意もインストールも簡単とは言えませんが、いずれ「ほんの数分で導入できるものに簡素化し、コストと参入障壁の両方を減らす」ことを目指すと述べられています。
2020年にはテスラがApple Musicのサポートを検討している手がかりも見つかっていましたが、結局は実現していません。テスラCEOのイーロン・マスク氏も、CarPlayを搭載して欲しいとの要望をスルーしているようでもあり、テスラ車のオーナーは自力で望みを叶えるしかなさそうです。
Source:Michal Gapinski(Twitter)
via:MacRumors
※Michalのlはストローク付き、Gapinskiのnはアキュートアクセント付きが正式な表記です