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2022/10/19 19:00

特徴的な走りのハイブリッド車に試乗! ルノー「アルカナ E-TECH」とホンダ「シビック e:HEV」独自の魅力に迫る

気になる新車を一気乗り! ハイブリッド車は高い燃費性能など経済性のメリットに注目が集まるが、今回の「NEW VEHICLE REPORT」で紹介するルノー・アルカナ E-TECHとホンダ・シビック e:HEVは、走りのキャラクターも特徴的。かつてはF1でしのぎを削っていた両ブランド最新作の、その独自の魅力は何か?

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】F1譲りのハイブリッド技術で独自の走りが楽しめる!

【ハイブリッド】

ルノー

アルカナ E-TECHハイブリッド

SPEC●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●総排気量:1597cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:94[49/20]PS/5600rpm●最大トルク:15.1[20.9/5.1]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

ドグミッションの採用でダイレクトな走りを実現

F1では速さ、市販車では燃費が追求されるハイブリッド技術だが、高度なエネルギー制御が要求される点は同じ。ルノーによれば、E-TECHにはF1で得られたノウハウが惜しみなく投入されている。また、機構面で要注目なのは、トランスミッションに同じくモータースポーツではお馴染みの、ドグミッション(※)を組み合わせていること。軽量&コンパクトで高効率化にも有効な反面、快適性に難があるため市販車では敬遠されてきた構造だが、E-TECHでは電気モーターを駆使してシフトショックなどを排除。ATらしい洗練された変速を実現した。

※:通常のマニュアルミッション(シンクロミッション)と違ってクラッチを切らずにシフトアップ&ダウンが可能になるシステム。シフトチェンジの速さが魅力で、モータースポーツではよく使われている。デメリットには、シフトショックが大きい、音が大きいなどがある

 

その走りはアクセル操作に対するダイレクトな反応が印象的で、スポーティと評しても差し支えない軽快な身のこなしだ。カタログ上では若干控えめな燃費も、実際には市街地で20km/L近く、高速では23km/L以上をマーク。国産勢とはひと味違う個性派ハイブリッド車として、魅力的な選択肢であることは間違いない。

 

[Point 1]最新モデルらしいインターフェイス

画像化されたメーターや、7インチタッチスクリーンが備わるセンター部など、インパネ回りはハイブリッドらしい作り。運転支援系の装備も充実している。

 

[Point 2]SUVらしい使い勝手

室内は前後席ともに十分な広さ。前席にはシートヒーターも装備される。荷室容量もフランス車らしく、通常時で480Lと余裕たっぷりだ。

 

[Point 3]E-TECHは選択肢が拡大中

走りは意外なほどスポーティな味付け。アルカナはE-TECH仕様(429万円)のみだが、日本向けルノー車ではすでにルーテシアにも設定済み。

 

[Point 4]E-TECHは軽量&コンパクト

E-TECHは、1.6Lガソリン+2モーターにドグミッションを組み合わせ、本格派ハイブリッドながら軽量&コンパクト化を実現。幅広い車種に対応している。

 

 

【その2】実感するのは“デジタル時代のスポーティ”!

【ハイブリッド】

ホンダ

シビック e:HEV

SPEC●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm●車両重量:1460kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:141[184]PS/6000[5000〜6000]rpm●最大トルク:18.6[32.1]kg-m/4500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:24.2km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

センスの良さを感じさせる「音」と「視覚」のチューニング

昨年、先行発売されたガソリン仕様もスポーティな味付けで話題を呼んだシビックだが、新たに追加されたe:HEVも乗る人を楽しませるハイブリッド車に仕上げられている。その構成は、2Lガソリンエンジン+2モーター内蔵電気式CVTという組み合わせで、カタログ上の燃費は24.2km/L。その大柄なボディサイズを思えば、最新エコカーに相応しい“少食”ぶりを実現している。

 

だが、その真価は積極的に操った際のほうが実感しやすい。まず、効率最優先のハイブリッド車ではエンジンの情緒など二の次というのが相場だが、2L直噴ユニットは回そうという気にさせる仕上がり。これには車内のスピーカーから軽快感などを演出する音を付加するASC(アクティブサウンドコントロール)、加減速時の見え方まで吟味したパワーメーターの貢献度も高い。お見事なのは、それらの演出が単なる“ガソリン車風”ではなく、適度なデジタルテイストに調律されていること。

 

それを受け止めるシャーシも、積極的な走りに応える仕上がりだ。入力に対して正確に反応する操縦性、堅牢なボディはスポーティなセダンとして通用する水準にある。その点では、経済性と趣味性を両立したいオトナのクルマ好きにも狙い目な1台と言えそうだ。

 

[Point 1]電動車らしさは視覚面で演出

インパネ回りは、ガソリン車のタコメーター風にも動くパワーメーター、センターディスプレイのパワーフロー表示。ハイブリッドらしさを演出する。

 

[Point 2]スポーティにして実用的な仕立て

室内の使い勝手は、ハイブリッド版でもガソリン仕様と同等。前後席は、ミドル級セダンとして十分に実用的な広さ。荷室容量は後席を使用する通常時でも404Lを確保する。

 

[Point 3]e:HEVの主張は最小限

まもなく発売されるスポーツ仕様、タイプRは専用ボディを採用するが、e:HEVの外観は基本的にガソリン仕様と同じ。モノグレードで価格は394万200円。

 

[Point 4]高効率ぶりは最強レベル

2L直噴エンジンは、新長期規制に対応する環境性能の高さと一層の高効率化、静粛性の向上など、全方位的に進化している。最大熱効率は41%に達する。

 

文/小野泰治 撮影/市 健治、宮越孝政

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