パイオニアは12月22日、“会話するドライビングパートナー”として注目を集めるAI搭載通信型オールインワン車載器「NP1」のアップデートを実施し、新たに遠隔で愛車を見守る新しいセキュリティ監視機能「マイカーウォッチ」を追加しました。
NP1のドライブレコーダー機能を強化する「マイカーウォッチ」
NP1はサービスや機能の追加・更新を通信で行うことで、購入後も継続的にユーザーの使い勝手や体験を向上させられるのが特徴となっています。今回の大型アップデートはNP1が3月に発売されて以降、3回目となるもので、NP1がもともと搭載していたドライブレコーダー機能を強化するものとなります。
「マイカーウォッチ」機能は、離れた場所からクルマの状況をスマートフォン(スマホ)で遠隔監視できることを最大の特徴とします。車室内や車外のカメラ映像と共に、クルマの位置情報や速度情報などがリアルタイムで確認できるようにもなるのです。その機能の活用シーンは大きく以下の3つを想定しています。
①駐停車中のクルマへのいたずらなどトラブル時の被害状況の遠隔確認
②盗難被害時の車両位置追跡
③大きな駐車場などでの駐車位置の確認
加えて、不審者を発見した際には、定型ではあるものの、メッセージを発報して警告することができるため、これが、犯罪被害を最小限にとどめられる可能性につながるというわけです。これなら、クルマに戻った時に被害に遭ったことに初めて気付く! なんてことにはならずに済みそうです。
スマホで車内の様子を鮮明表示。遠隔で警告も発報!
とはいえ、使ってみなければその効果はなかなかわかりにくいものです。そんな中、12月上旬、「マイカーウォッチ」機能のデモを体験する機会を得ました。場所は東京都内のとある駐車場。そこでNP1を搭載した車両に、準備した“不審者”が車両を襲うという想定です。
まず、“不審者”がドアを開閉し、その際に発生した振動をNP1が検知すると10秒間の録画映像をSDカードとクラウドへ自動保存する「駐車中衝撃通知機能」が作動します。すると、登録してあるスマホに異常が発生していることを通知。これを知ったユーザーがアプリから「マイカーウォッチ」機能を起動させてカメラを起動すると、そこには車内に乗り込んでいる“不審者”の様子が映像で映し出されるという流れです。
アプリを起動して映っていた映像は想像以上に鮮明で、“不審者”の表情までしっかりと読み取れるレベルです。取材したときは昼間でしたが、車内は日陰で少し暗めの状況。それでも“不審者”の表情までも鮮明に映し出していたのです。これはNP1に搭載された赤外線対応カメラが機能しているからで、これによってたとえ照明がない夜間であっても鮮明に撮影できるのです。
そして、ここからが「マイカーウォッチ」機能の真骨頂です。アプリ上で黄色で表示されている「警告する」アイコンをタップすると、即座に音声で車内に「カメラ作動中。異常状態を確認し、通報しました。遠隔監視を行っています」と警告。これが最大5分間にわたって繰り返されるのです(利用は1回5分で、月に計60分まで)。
驚くのはその音声がとてもリアルだということ。一般的なドラレコが発するような、か細い甲高い音声ではありません。まるでそばから声を発しているようなリアルさなのです。NP1がもともと実装していた高品質な音声出力機能が、ここでも活かされているんですね。
駐車中のトラブルへの不安をNP1「マイカーウォッチ」が解決!
また、アプリ上には車両の現在地も表示されており、仮に車両が盗まれて移動したとしてもその位置はリアルタイムで把握できるようにもなっています。デモ中もこの警報を発しながら車両が移動する様子がしっかりとモニターされていました。
本音を言えば、定型の警告以外にも、たとえばユーザーからのリアルな声で警告が出せたりするともっと良かったかな、とも思いましたが、それをすると通信契約上の問題も発生する可能性が出てきます。なぜなら、NP1で使える通信契約はデータ通信を基本としているからです。このあたりは今後の展開に期待したいと思います。
なお、エンジン停止中に「マイカーウォッチ」を利用するには、別売の駐車監視用電源ケーブル「NP-BD001」が必要となります。
パイオニアが実施した「ドライブレコーダーの利用状況に関する調査」によると、ドライバーの82.7%がドアパンチに対して不安を、72.2%が車上荒らしに対して不安を感じていることが明らかになりました。また、ドライバーの31.5%がドアパンチ、20.9%が当て逃げの被害を受けたことがあると回答しているそうです。つまり、こうした不安を少しでも和らげてくれるのにNP1の新機能「マイカーウォッチ」は打って付けというわけですね。
パイオニアでは今後もNP1の定期的なアップデートを予定しているそうです。これから先、NP1がどんなドライブシーンを生み出してくれるか、とても楽しみですね。
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