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2023/7/22 6:00

【2023年上半期メガヒット】半年足らずで1万6000台超の予約受注を達成! 三菱「デリカミニ」人気の理由を探る

「デリカ」の名が付く軽スーパーハイトワゴンが出ることが明らかになるや、「欲しい!」という人が続出。5月の発売日までに想定をはるかに上回る受注数に。その人気の要因を探る。

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

三菱
デリカミニ

180万4000円〜223万8500円

「eKクロス スペース」の実質的な後継モデルとして開発。“頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン”をコンセプトに、デリカらしい力強いデザイン、日常からアウトドまで使いやすい室内空間、運転をサポートする走行性能や安全装備などを備えている。

SPEC【T Premium・4WD】●全長×全幅×全高:3395×1475×1830㎜●車両重量:1060㎏●パワーユニット:659cc直列3気筒インタークーラー付ターボ最高出力:64ps/5600rpm●最大トルク:10.2kgm/2400〜4000rpm●WLTCモード燃費:17.5km/l

 

↑内装色は精悍なブラックで統一。小物を片付けやすいよう各部に収納が設けられている。オリジナル9型ナビはぜひ付けたいところ

 

↑開口高は1080㎜もあり、地上高が低めなのでかさばる荷物の積み下ろしもラクラク。後席は分割して320㎜も前後スライドできる

 

↑飲み物をこぼしてもサッと拭き取れて水遊びのあとでも気にせず乗り込める撥水シート生地を採用。座り心地と通気性にもこだわっている

 

●ヒットのシンソウ

【証言者】モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん
軽自動車からスーパーカーまで守備範囲が広い。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

インパクト満点のルックス異彩を放つ独特の存在感

「こういうクルマが発売前に多くの注文を集めたところに意義がある。内容的にはそれほど目新しくはないものの、使い勝手に優れ、見た目にもインパクト抜群。かつてない存在感を放っているところがスゴい」(岡本さん)

 

「デリカ」のミニ版らしいデザインと利便性を兼備

1万6000台という数字がどれくらいのものかというと、例えば軽自動車界の王者として君臨しているホンダのN-BOXなら、わずか1か月でもっと多くの台数が売れることも珍しくない。それでもデリカミニのように価格帯が高めの軽自動車で、しかもまだ試乗レビューも出ていない段階の新型車が、これほどの受注を集めたことは大健闘といえる。

 

この人気の秘密は、アウトドアミニバン・デリカゆずりの力強いデザインと、軽ハイトワゴンとしての使い勝手を良い具合に兼ね備えているところにありそうだ。いまどきの軽ハイトワゴンはどれも良くできていて、使い勝手は甲乙付けがたい。その点ではライバルと大きな差はないだろう。そんななかでもデリカミニが特別なのは、やはりデザインだ。

 

最近ではSUVテイストの軽自動車もいくつか見受けられるようになってきたが、デリカミニほど上手くまとまっている例はあまり心当たりがない。特に、いかにもデリカのミニ版らしい、ちょっとヤンチャで、かわいらしさのなかにもキリッとした表情のあるフロントが目を引く。

 

また、半世紀以上の歴史と伝統のある「デリカ」が車名についていることから興味を持ったという人や、信頼を感じて注文したという人も少なくないようだ。

 

実際、デリカとしての使い勝手の良さと4WD性能への期待により、アウトドア派からも大いに注目を集めているという。

 

人気雑誌編集長が本気で考えた「私ならデリカミニでコレがしたい!!」

■「ベストカー」編集長・飯嶋 穣さん

パーツが揃ってきたら自分好みにカスタマイズ

「デリカミニは自分好みにイジるには最高の素材。今後、カスタムパーツも続々と増えるでしょう。というわけでまずはカスタム。タイヤあたりから始め、ゆくゆくはリフトアップキットで車高も上げたいですね」

 

「ベストカー」
販売部数、情報量、エンタメ濃度No.1の自動車専門誌。1977年創刊/毎月10・26日発売(講談社ビーシー/講談社)

 

■「ランドネ」編集長・安仁屋円香さん

デリカミニに合う服を着て秘湯やカフェで寛ぎたい

「お気に入りのウエアに似合うナチュラルアイボリーメタリックのデリカミニで、駅から登山口までが遠い山に出かけます。山歩きのあとは、山奥の秘湯を目指したり、カフェに立ち寄ったりして1日を過ごしたい!」

 

「ランドネ」
山歩きの旅をキーワードに、自分らしいアウトドアライフを楽しむ女性を応援する隔月刊誌。奇数月23日発売(ADDIX)

 

■「GetNavi」編集長・松村広行

カミさんと2人で日本各地を巡りたい

「デリカと言えば4WDによる走破性が魅力。多少の悪路も平気だし、運転支援機能も充実していて、ロングドライブで疲れても安心です。愛らしいルックスはカミさんも気に入ってくれそう。2人で日本各地を旅したいですね」

 

PLAYBACK![1968-2023]デリカ55年ヒストリー

1968年、トラックから始まったデリカは今年で55年を迎える。初代スターワゴンでの4WD追加が大きな転機となり、以降SUVとワンボックスを融合した唯一無二の存在となっている。

 

【1968年】デリカトラック

1.1lエンジンを積む小型トラックがまず登場。ほどなく商用バンと、9人乗りワゴンの「コーチ」が追加された。

 

【1979年】デリカスターワゴン(初代)

スクエアなスタイルに一新。のちにピックアップトラックをベースとした4WDとディーゼル車がラインアップされた。

 

【1986年】デリカスターワゴン(2代目)

ボディサイズ拡大とともにエンジンを強化。ワゴンは4WDと2WDでスタートし、世のRVブームのなか人気を博した。

 

【1994年】デリカスペースギア

2代目パジェロをベースに開発。4WDシステムは、先進的なスーパーセレクト4WDをいち早く搭載していた。

 

【2007年】デリカD:5(ビッグマイナーチェンジ後)

独自の環状骨格構造であるリブボーンフレームを採用し、強固な車体を実現。2019年より現在のデザインとなる。