コロナ以前の日常がほぼ戻ったいま、気付けば2023年も後半戦に突入。この先売れるアイテムと流行るコトを各ジャンルのプロたちに断言してもらった。今回は7月1日より道路交通法の一部が改正された「電動キックボード」についてお届けする。見逃し厳禁! NEXTトレンドの波に乗り遅れるな!
※こちらは「GetNavi」2023年9,10月合併号に掲載された記事を再編集したものです。
私が選びました!
本誌乗り物担当 上岡 篤
最近は電動キックボードのスムーズな走り&ラクさに目覚めた。自転車にもよく乗るので、軽量で涼し気なヘルメットの購入を検討中。
スマホひとつで手軽に利用でき街中の移動を快適化できる
シェアリングサービス
Luup
LUUP
基本料金50円+15円/1分
電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービス。東京、大阪、名古屋など7都市(7月現在)でポート(駐輪スペース)を展開する。アプリで年齢確認や支払い先クレカの登録、交通ルールテストを済ませておけば、近場にある利用可能な車両にすぐにライド可能。
<LUUP安全講習会取材メモ>公道に繰り出す前に操縦に慣れる機会は貴重
今回の法改正に合わせて、LUUPの利用者向けの安全講習会を複数エリアで実施。今後も継続的な開催を目指すということなので、新ルールや車両の操縦に不安があるなら必ず参加しよう。
POINT1:酒気帯び運転厳禁や道路標識など基本的な交通ルールを遵守
当然のことながら、酒気帯び運転は厳禁。普通免許などを取得しておらず、道路標識のルールについて学んだことがない人はその点も確認しよう。
POINT2:車道通行が原則! 交通量や交通規制も確認して走行
車両の速度制限や交通規制など、特定の条件下で歩道等を通行できる場合もあるが、原則は自転車と同様に、車道の左側端を走る車両だ。
POINT3:交差点では二段階右折 難しい場合は降りれば歩行者扱い
原付に乗らない人に馴染みが薄いのが二段階右折。とっさに迷った際や、交通量が多く危険だと判断した際は、手押しで歩行者として通行しよう。
誰もが利用しやすくなるが基本的なルールの再確認を
都市部のLUUPを中心に、新たな移動手段のひとつとして存在感を増している電動キックボード。基本的な操縦が手元のみで行えて非常にラクな乗り物だ。アクセル、ブレーキ、ウインカーに加えて車両の速度制限の切り替えさえマスターすれば、ハンドリングも簡単で、自転車のような感覚で乗り回せるだろう。車道では20km/hまで速度が出せるようになったため爽快感もあり、心地良く走れる。
安全講習会の参加者からも、「シェアリングは必要なときに使えて便利」、「意外とスピード感があり操縦も簡単」など、肯定的な意見が多かった。しかし、その一方で「ルールの周知と、利用者側の守る意識がなければ、事故が増えそう」といった声も多く聞かれた。
今回の法改正では、車両区分が変わったことで運転免許が不要になったのが大きな変更点。なお、交通違反した場合は、反則点ではなく、違反者講習の受講や罰則(罰金や懲役)を命じられる。16歳以上であれば利用できるが、基本的な交通ルールを理解したうえで、実際の交通規制や交通量を確認しながら運転することが必須。走行中に何か困ったときは、一度降車して手押しすることで、歩行者として通行する方法をLUUPでは啓発している。また、ヘルメットの着用も努力義務にとどまるが、万一の事故で被害を抑えるためには着用するのが望ましい。
シェアリングだけじゃない! 新しい安全規格を満たしたモデルが続々
電動キックボードはシェアリングサービスに限らず、個人で購入して常用することもできる。法改正に伴い安全規格や必要な手続きも刷新されたので要チェック!
【その①】電動モビリティの大手によるタフな新モデルが登場
YADEA
KS6 PRO
電動モビリティ世界最大手である同社の最新モデル。フロントサスペンションの搭載により段差を乗り越えやすく、耐パンク加工を施したタイヤを装備した。高強度アルミフレームを採用し最大荷重110㎏を実現。
【その②】低速トルクチューン設計で急な坂道でもラクに上れる
SWALLOW
ZERO9 Lite
後輪駆動小径タイヤを採用。時速20km以下のトルク性能に長け、スイスイと登坂できる。「特例特定小型原動機付自転車」として一部の歩道を通行できる機能は非搭載。
【その③】安定感を追求した3輪構成のモビリティ
ストリーモ
S01JT
自分のペースで移動しやすい立ち乗り3輪モビリティ。独自の「バランスアシストシステム」の搭載により、超低速から快適な速度までどの速度域でも安定した走行を実現した。
<ヒットアナリティクス>利用者層の拡大に伴いルールの周知徹底も急務
「16歳以上なら免許不要で乗れて、学生から高齢者まで利用者層が拡大。特にLUUPのポートがある都市部では7月以降、利用者の姿を頻繁に目にします。ルールの周知や地方へのポート設置が進み、安全かつ便利なモビリティとしての普及に期待」(上岡)
個人で購入・公道走行するための3STEPS
STEP1:保安基準に適合した モデルを選ぶ
国土交通省認定機関による性能等確認制度をクリアした車両には、「性能等確認済」と記されたシールが貼られる。上記3モデルはいずれもクリア済みだ。
STEP2:ナンバープレートの 取得・取り付け
住んでいる自治体の役所に行き、必要書類の記入などを経てナンバーを発行する必要がある。なお、原付バイクと同様に、軽自動車税の課税対象となる。
STEP3:自賠責保険に加入
公道を走るには自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)への加入が義務。加入や更新の手続きはコンビニなどでもできる。任意保険は別途検討しよう。