ファッション
2016/8/23 12:00

【腕時計の基本】高精度時計のお墨付き=クロノメーター

腕時計には、性能や品質を保証するための認証・規格や、それを検査するための第三者機関があります。その中でも世界的に最も有名なのが、時計の精度を保証する「クロノメーター」。これを知らないと、時計のスペックは語れません。

国際標準化機構の定めたマニュアルに沿って検査を実施

国際標準化機構が規定したISO3159の基準に沿って、公的機関が時計の精度を検査。合格したモデルに与えられる“高精度”であることの認証が「クロノメーター」と言います。

 

試験を行う公的機関は各国に存在ありますが、最も著名で、最も数が多いのが、1973年に設立されたスイス・クロノメーター協会(COSC)によって行われる認証です。

 

↑すべてのモデルがクロノメーターであるブライトリングの時計には、この「COSCクロノメーター認定書」が発行される。
↑すべてのモデルがクロノメーターであるブライトリングの時計には、この「COSCクロノメーター認定書」が発行される。

 

検査は、腕に着用した状態やケースに入れた状態など実際の使用環境を想定したものとなります。具体的には、12時下・右・左、文字盤上・下の5つの姿勢差と、3つの温度差で15日間、精度を測定(下の[1]参照)。日差(24時間あたりの誤差)、姿勢や温度差によって生じる誤差など7項目を測定し、日差平均が−4 〜+6 秒以内など、基準内かどうかがチェックされます(下の[2]参照)。

COSC

この検査をパスする腕時計は、スイス製腕時計全体のうちわずか3〜4%ほどと、かなりの難関。合格するには精密な設計&製造技術や、ミクロン単位の組み立て&調整技術が不可欠とされています。

 

 

↑ブライトリング「クロノマット 44」。クロノメーター規格の高精度のみならず、装着性・操作性・耐衝撃性など、あらゆる点で「プロの計器」らしい本格スペックを実現した同社のフラッグシップクロノ。逆回転防止式ベゼル装備。500m防水。SSケース。92万円(税込)
↑ブライトリング「クロノマット 44」。クロノメーター規格の高精度のみならず、装着性・操作性・耐衝撃性など、あらゆる点で「プロの計器」らしい本格スペックを実現。完全自社製のブライトリングキャリバー01を搭載する、同社のフラッグシップクロノグラフ。500m防水。SSケース。92万円(税込)

 

↑完全自社製のブライトリングキャリバー01。クロノグラフ機構の制御には、高級機に伝統的に採用されるコラムホイール式を選択。時間帯を気にせず早送り調整できるカレンダー機構や、メンテ性を向上させる独自のモジュール構造など、最先端技術を満載。自動巻き。毎時2万8800振動

 

ちなみに、COSCにはジュネーブ、ル・ロックル、ビエンヌの3か所に検査機関があり、そのいずれかでテストが実施されます。

 

スイス以外の検定機関としては、ドイツ・グラスヒュッテ天文台の検定所が行なう「WEMPE」や、フランス政府工業省管轄の時計・宝飾研究所が行なう「CETEHOR」も有名です。