真っ赤に流れる溶岩の近くに鉄板をおいて焼き上げる。そんな型破りなピザは、「世界で最も危険なピザ」と言われています。
メキシコやホンジュラスなどに隣接する、中米の国グアテマラ。首都のグアテマラシティから30kmほど離れたところにあるパカヤ火山に、「世界で最も危険なピザ」と呼ばれるものがあります。
このピザを作るのは、シェフのマリオ・ダビド・ガルシアさん。彼は、2021年5月に最後の噴火を起こしたパカヤ火山の頂上で、もう5年もピザの販売を行っています。
具材をのせたピザ生地を鉄板に敷くと、分厚い耐熱手袋と保護用のゴーグルを身に着けて、より熱い溶岩のほうまで行き、そこに鉄板を置いて火山や溶岩の熱でピザを焼き上げます。焼き時間は通常10分ですが、最短で2分だったこともあるそう。
昨今は、深海でのダイビングやスカイダイビングなど、従来の観光の枠を超えた体験を求める「エクストリームツーリズム」の人気が出てきており、パカヤ火山でも活火山を見ようと訪れる観光客が増えているそう。マリオさんはグアテマラの公式気象台の情報を常に確認することで、安全にも気を配っていると言います。
そんなツーリストたちのなかには、マリオさんのピザを目当てにしている人もいる模様。商機を見出したマリオさんは、ピザの営業を週2日から5日に増やして、今日もスリル満点のピザを焼いています。
【主な参考記事】
New York Post. How the ‘world’s most dangerous pizza’ is cooked: ‘It wasn’t the safest … but the pizza tasted great’. December 10 2024