日本でよく見かけるコーヒーブランドと言えば、AGFのブレンディやマキシム、ネスレのネスカフェ、UCCのザ・ブレンド。それにインスタントコーヒーが主流ですよね。
筆者が滞在しているコロンビアは、コーヒー生産量が世界第3位の国。そのため、日本では見かけないコーヒーブランドだらけ。そして、インスタントコーヒーよりドリップコーヒーが主流となっています。
そこで、コーヒー好きならずとも気になるのは、本場コーヒーの味と香りですよね。コロンビアの人気コーヒーブランドは本当においしいのかどうかを確かめるために、飲み比べを実施。本稿では、その結果をお伝えしたいと思います。ちなみにコーヒーブランドは、実際にコロンビアの大型スーパーのコーヒーコーナーに突撃して教えてもらいました。
スーパーのコーヒーコーナーに突撃
さすがコーヒー大国コロンビア! スーパーの棚にはコーヒーパッケージがズラリ。コーヒーコーナーのうち80%はドリップコーヒー、あとの20%はインスタントコーヒーが占めていました。
膨大すぎて迷ったため、コーナーに立っていた店員さんに「どのコーヒーが売れているの?」と質問。怪訝な顔をされつつも、一般人は(1)「Cafe Aguila Roja」(2)「Cafe La Bastilla」(3)「Cafe Sello Rojo」。金持ちっぽい人は、(4)「Cafe Molido Matiz Ambar」(5)「Juan Valdez」を買っていると丁寧に人気のコーヒーブランドを紹介してくれました。
経済レベルに応じて5つを教えてくれるところに、コロンビアの事情が反映されています。実際、コロンビアでは家庭によって経済レベルが驚くほど違うので、普段消費するコーヒーの種類にも大きな差があるのです。
早速コーヒーを買って淹れてみた!
早速、紹介されたコーヒーを買って家でコーヒーを淹れてみました。余談ですが、筆者はミニマリストなためにコーヒーメーカーは言わずもがなポットすら持っておらず、フライパンでお湯を沸かしています。
このお湯を、コーヒーの粉を入れたこし器に投入。
今回、5つのコーヒーをすべて飲んでみて、やはりコーヒーによって味と香りが全然違うことがわかりました。そして、「やっぱり高いコーヒーはおいしい」ということをあらためて実感。当たり前のことですが、どこの国でもこれは同じなんですね。
大人気コーヒートップ5の判定結果
筆者はコーヒーを一日3~5杯飲むコーヒー好きですが、コーヒー豆に精通しているわけではありません。あくまで素人として率直に人気コーヒーが「あり」か「なし」かを判定。
ここでいう「あり」というのは、毎日飲むコーヒーとして自分がお金を出して買いたいかどうか。また、イメージしやすいように値段、香り、味、後味、総合評価を五つ星で評価してみました。なお、筆者は後味のキレを重視します。結果は以下の通り。
(1)「Cafe Aguila Roja」250グラムで4000ペソ(159円)
Cafe Aguila Rojaはほとんどの売店やスーパーに置かれている、人気のコーヒー。値段も非常に安く、コロンビアで売られているコーヒーの中では最も安い部類。味は濃く、香りも濃厚。コロンビア人に昔から愛されているコーヒーです。しかし、筆者的には「なし」と判定しました。味が濃すぎる、後味にキレがないためです。
(2)「Cafe La Bastilla」125グラムで2580ペソ(102円)
「Cafe La Bastilla」もほとんどの売店やスーパーに置かれているコロンビア人に愛されているコーヒーです。値段も安めで、味は濃すぎず薄すぎずで香りも悪くありません。後味にキレがあります。コストパフォーマンスも高く「あり」と判定。
(3)「Cafe Sello Rojo」250グラムで4390ペソ(174円)
こちらの「Cafe Sello Rojo」もほとんどの売店やスーパーに置かれている人気のコーヒーです。値段は安めで味は少し濃いです。味が少し主張しすぎており、後味にキレがなかったため、少し迷いましたが判定は「なし」。
(4)「Cafe Molido Matiz Ambar」250グラムで9720ペソ(386円)
「Cafe Molido Matiz Ambar」は「Cafe Aguila Roja」に比べて2倍以上の値段がするだけあって、味に深みがあります。素人ながらにも確実に味の違いはわかります。スーパーの店員さんにも、「上質なものを利用しているから当然おいしいわよ」と言われました。しかし、香りも味も少し酸っぱく、クセがある印象を持ちました。そのため、「なし」判定です。
(5)「Juan Valdez」250グラムで1万3730ペソ(545円)
「Juan Valdez」は泣く子も黙るコロンビアで有名な高級コーヒーです。もちろん日本のコーヒーの価格からしたらさほど高くないかもしれませんが、物価が3もしくは2分の1のコロンビアでは高い部類。さすがに味に深みがあります。スーパーの店員さんにも「香りだけで楽しめるわよ」と言われました。
甘い香りで、味もクセがなく飲みやすい、そして後味にキレがある正統派のコーヒーだという印象を持ちました。今回選んだコーヒーのなかで、もっとも毎日飲みたいコーヒー。文句なしの「あり」判定です。
日本でコロンビアのコーヒーは、ひとくくりにされがち。ですが、実際にコロンビアで人気のコーヒーを買って比較したところ、予想以上に味の違いがあり、驚きました。コロンビア国内のコーヒーの産地、製法、コーヒー豆の質の違いによって味も異なるのでしょう。
コーヒーはこんなにも奥深いものなのかと、しみじみ。これからコロンビアのコーヒーを飲むときは、ブランドごとに味の差は激しいということを前提に楽しんでみてはいかがでしょうか。