原色や蛍光色などの派手な色合いと、なんとも言えない触感で知られる「スライム」。子ども時代にこの玩具で遊んだことがある人も多いかと思いますが、そのスライムがなぜかいま、世界中でブームになっているのをご存知でしょうか。筆者が住むマレーシアでも女子中高生を中心に子どもから大人まで大人気なのです。
なぜここまで盛り上がっているのでしょうか。その人気の秘密はソーシャルメディアにありました。
まるでスイーツ! 手作りスライムのクオリティがすごい
スライムブームのポイントは自分で”調合(カスタマイズ)”すること。色、質感、香りなどを自分好みに選んで、オリジナルの手作りスライムをソーシャルメディアにアップすることが爆発的に流行しているのです。Instagramを見てみると、「インスタ映え」する画像や動画がたくさんアップされています。
もう一つの人気の秘密は、自分だけの調合をすることで、世界に1つだけのオリジナル作品を生み出せること。これは「レシピ」と呼ばれることが多く、実際にその見た目の効果もあるせいか、料理やスイーツのような雰囲気も醸し出しています。
スライムの作り方や材料は、以下の材料を混ぜるだけ。ちょっとした化学実験のようでもあり、身近なもので簡単に作れるようです。
・フラバー(Flubber):お店で売っているドロっとしたもの
・フラッフィー(Fluffy):ふわっとしたホイップクリーム状のもの
・ボラックス(Borax):定番の鉱物のホウ砂が使われているもの
(※スライムを作るときに化学物質を使うことで皮膚にやけどを負ったりする事例が一部報告されているので十分に注意してください。ケミカルフリーのレシピなどもあります)
なかにラメやグリッターなどを入れたり、色を工夫したりすることによって、カラフルでキュートな自分だけのスライムを作ることができるのです。
最近では、人気が出たオリジナルのスライムを販売するビジネスまでも登場し、注目されています。これもソーシャルメディアでいかに目立つかが鍵となっています。
色鮮やかだったり、幻想的だったり、アップされた写真はまさに「インスタ映え」しています。#slimemalaysiaにもマレーシアの手作りスライマーの作品が既に2万5000点以上もアップされており、毎日増え続けています。
女子中高生のストレス解消アイテムとして定番化!?
女子中高生の間でスライムが人気となっている理由にはストレス解消が挙げられます。マレーシアはゆったりのんびりしている南国のイメージがありますが、やはり学生は勉強のプレッシャーを感じています。また、安全面を考えると子ども同士で遊びに行くということはありません。手作りスライムはそんな学生たちが家で1人でも楽しめるという点でも支持されているのです。
ソーシャルメディアにアップして「いいね」をもらえば、自己肯定感も高まるため、スライムにハマっていくということもあるかもしれません。自分だけのオリジナルスライムを作り、デコったり、デザインを考えたりすることが楽しいのはもちろん、材料を混ぜているときや完成したスライムを触っていると「癒される」のだそうです。手作りスライムがマレーシアだけではなく世界で人気を博しているのは、この辺りにもヒントがあるのかもしれませんね。