日本に追いつけ追い越せの中国。最近では、シェアバイクやQRコード決済、高速鉄道など、いつの間にか先を行っている感もあります。しかし、コンビニエンスストアに至ってはまだ黎明期で発展途上。そんななか、筆者が感心しているのが日本のファミリーマートのような「Fun Beans(乐豆家)」という中華コンビニ。日本のコンビニ至上主義という方もこれには満足するかもしれません。
気分はファミリーマート! Fun Beansでお買いモノ
2014年にスタートした、中国江西省のFun Beans(楽豆家)。ライトグリーンの看板で、ファミリーマートさながらの外観は日本人であれば、きっと親近感が湧くはずです。上海などの大都市には本物のファミリーマート(中国では「全家」と呼ぶ)もありますが、中国内陸部ではローカルのコンビニしかありません。しかし、価格はファミリーマートよりも安く、品揃えもなかなかのもの。
日本のコンビニと比較すると、まだまだ足りない部分が見えてくるのですが、中国の内陸部に住みながらコンビニを利用できるというのはかなり大きなメリット。コンビニと名乗るからには「24時間営業」が必須条件ということで、Fun Beansも頑張って24時間営業しています。
中国ではこれまでコンビニ業界が発展途上にあり、長い間、隙間的なビジネスでしたが、ここ数年で新しいコンビニが次々とオープン。これまで大都市のみだったコンビニも、国家が開発を進める地方都市で増えてきています。消費者の購買力や食品に対する要求が高くなってきていることも、地方内陸部でコンビニが増えている一因。特に20~30代の働く若い世代を中心に利用者が増加し、好評を得ているのです。当然ながら競争も起きつつあり、内陸部ではFun Beansのほかにも「Uhome」というコンビニが店舗数を年々拡大しています。
Fun Beansは町のいたるところにあり、特に、ビジネス街やショッピングモールの一画などに多く、どれも15平米ほどの小規模な店舗ばかりです。ホワイトカラーのビジネスパーソンや買い物客をターゲットにしているようで、朝やお昼前になると食料品を買い求める人たちで賑わいます。
商品は中国の低所得者からすると割高感があるようですが、一般的な企業のサラリーマンなら気軽に購入できる価格帯。肝心の品揃えについては店舗により多少差はあるものの、基本的には以下のようにカテゴリ分けされています。
・パン類
・お菓子類
・インスタント食品類
・アイスクリーム
・飲料
・酒類
・ヨーグルトなどの乳製品
・文具
・日用品
・電気製品
・インポート食品
これ以外にレジ付近には、日本のように肉まんや「関東煮」と呼ばれるおでん、フランクフルトなどが置かれています。店舗によっては簡単なテーブルとイスも置かれていて、軽食をとったり、友人とちょっとおしゃべりしたりする場所としても利用可能。