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2019/8/6 19:00

パンクの心配ご無用! 100%エコな原料を使った「新世代エアレスタイヤ」とは?

タイヤメーカーのミシュランが、ゼネラルモーターズと協業し、エアレスかつ100%持続可能な原料を使った3Dプリント製の新世代タイヤ「アプティス」を開発しています。そのプロトタイプが今年6月、モントリオールで開催されたMovin’On 2019サミットで公開され、注目を集めました。クルマ好きな人だけでなく、エコ意識が高い人も知っておきたいアプティスとは、どのようなタイヤなのでしょうか?

↑画像出典: ミシュラン広報部UPTIS公式ページ

 

アプティス(UPTIS)という名前はUnique Puncture-proof Tire Systemの頭文字をつなげたもの。ミシュランが2017年に発表したビジョンコンセプト「持続可能なモビリティ社会への貢献」に基づいて、2024年の一般市場投入を目標に、現在ゼネラルモーターズと共同開発が進められています。アプティスは、車両に取り付けるアルミホイール、複合材を使用したクッション層、路面と接地するトレッド面で構成されています。

↑画像出典: ミシュラン広報部UPTIS公式ページ

 

2012~15年に実施されたScrapyard(スクラップヤード)というミシュランの社内調査によると、年間10億本ものタイヤが世界で破棄されています。その2割、つまり2億本がパンクや不適正な空圧による偏摩耗などが原因で、実際の製品寿命より早期の段階で処分されていると言われており、これはエッフェル塔の200基分の重量に相当するほどなんです。

 

16年秋に「テクノロジーが集約され、超ハイレベルな環境的パフォーマンスを満たす、未来のモビリティの象徴となるものを創造する」というロードマップを発表したミシュランは、翌年のMovin’Onで「エアレス」「コネクテッド(デジタル通信との接続性)」「3Dプリンターの活用」「100%の持続可能原料の使用」という4つの軸からなるコンセプトを打ち出しました。アプティスは、このコンセプトの実用化への第一歩なのです。

 

アプティスは、まずゼネラルモーターズの電気自動車に導入される予定。現在は「シボレー・ボルトEV」をテスト車両として、米ミシガン州で実車走行テストが行われています。2019年7月時点では、乗り心地やカーブでの操縦性などの技術的な要素や、業界内でのエアレスタイヤに対する規格整備やインフラ構築など課題も多く存在しますが、2024年までにクリアされることが期待されています。

 

現在、自動車業界は「CASE(Connected, Autonomous, Shared and Electric)」という大きな転機のなかにいます。これまでのマイカーとは対照的に、自動運転やカーシェアが普及していくと、ドライバーはタイヤの空圧や摩耗、損傷の点検やメンテナンスにあまり注意を払わなくなることが予想されます。

↑画像出典: ミシュラン広報部UPTIS公式ページ

 

だから、メンテナンスの負担が少ないエアレスタイヤは未来型モビリティにおいて理想的な役割を果たすことが考えられます。パンクによる交通事故を防止できるうえ、タイヤの買い替えサイクルが長くなり、コストパフォーマンスにも優れています。スペアタイヤが不要になることで省資源、また自然素材の原料使用で持続可能な環境づくりにも貢献するでしょう。エアレスタイヤの今後の実用化が楽しみですね。

 

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