元気なときは明るい色のものを身につけるけれど、気分がのらない日はダークなものを自然と選びがち。このように、人々の気持ちや状況が無意識のうちに表れるのが、服装といった身の回りにある物の色でしょう。
そんな色の世界から2020年を予測したのが、Shutterstockの「2020年カラートレンド」です。画像や動画などの素材を取り扱う大手Shutterstockでは、2018年から2019年にかけてダウンロードされた画像をピクセルデータにわけ、それをカラーコードにマッピングして最も需要が増えている色を分析。「2020年カラートレンド」として3色を発表しました。今年もっとも注目されている色3つを見てみましょう。
1: 情熱あふれる「ラッシュラヴァ」
2020年注目カラーのひとつとして選ばれたのが、「溶岩(ラヴァ)」や炎を彷彿させる鮮やかなオレンジレッド。エネルギーや情熱に満ちあふれたこの色は、自らを主張する強さも兼ね備えていて、注目を集めたいと考える企業なども利用するカラーなのだそう。
ラッシュラヴァは、日本の神社の鳥居によく使われている色。フォトジェニックなスポットとして「千本鳥居」が人気の京都・伏見稲荷大社のサイトでは、「朱色は、魔力に対抗する色といわれ、古代の宮殿や神社仏閣に多く用いられている」と記載されており、この色には邪悪なものをよせつけないという意味合いも込められているようです。
また、日本流行色協会が発表した「2020年の色」には、ラッシュラヴァと近い「レッド」が選ばれています。2020年はオリンピックが開催され、選手の熱いパワーを目にして人々の高揚感も高まると予想されています。さらに日本の国旗で赤色を目にする機会も増えることから、赤系の色はまさに2020年の注目のカラーといえそうです。
2: 優雅な「アクアミント」
ラッシュラヴァの次に選ばれたのは、黒い夜空に舞うオーロラのような「アクアミント」。シアンとミントを混ぜ合わせた色で、カリブ海のようなトロピカルなリゾート地を感じさせる優雅な雰囲気や、どこか都会的で遊び心も感じさせる色でもあります。インテリアのアクセントなどにこの色を取り入れると、モダンでおしゃれな世界観ができそうです。
3: 洗練や信頼を表す「ファントムブルー」
3つ目の注目カラーは、ゴッホの作品「星月夜」のような「ファントムブルー」。ダークデニムに近いインディゴネイビーカラーで、夜が明ける直前のような深く神秘的な色です。ダークな色合いなのに、洗練された印象や信頼感までも与えることができる不思議な色で、ラッシュラヴァやアクアミントのような明るい色を引き立てるコンビネーションカラーにもなります。ファントムブルーは特にオーストラリアやドイツ、スペインで人気上昇中の色だそう。
今回発表された3つのカラーはどれも明るい雰囲気の色で、2020年の明るい未来への期待感が表れているのかもしれません。デザイナーやファッション関係の仕事に就いている方はもちろん、普段のアイテムの色選びに、これらを参考にしてみてはいかがでしょうか?