ワールド
2020/6/15 18:30

ポンペイはサステナブルだった! 「古代ローマ」 のような技術革新を狙うイタリアの挑戦

イノベーションよ、再び

↑ローマン・コンクリートで作られたパンテオン

 

2000年以上経っても崩壊しない古代ローマの建物と違って、北イタリアの重要な道路網だった幹線高速道路の陸上橋「モランディ橋」は2018年に崩壊事故を起こしました。資金や政治がらみの問題によるメンテナンス不良などが原因だったようで、建設後50年の寿命で崩壊したのです。43人の犠牲者を出してしまい、それ以来現地では追悼が続けられています。

 

モランディ橋の代替建設作業は新型コロナウイルスのパンデミック中にも続けられ、着手後2年足らずで今年7月には新たな橋が開通することになりました。この新しい橋はソーラーパネルでエネルギーを蓄え、ロボティクス技術で問題を即時に発見できる機能なども備えていて、少なくとも100年は崩壊しないように設計されています。

 

イタリアはEUのなかでも、とりわけ輸送網の再構築が必要だと言われてきました。コロナ被害が大きい北部イタリアで建設されたこの橋について、コンテ首相は「イタリア経済復興のシンボルとしたい」とコメントしています。

 

このようにイタリアはロックダウン緩和の中でも建設プロジェクトをいち早く再稼働するなど、経済再生に向けての産業活動に着手しました。今後イタリアのGDPは8%〜10%まで落ち込むと予想されていますが、一方で、ポスト・コロナ時代は、老朽化が進み危険な状態の古い建物を一斉に建て直すチャンスでもあると言われています(ただし、ロックダウンによりいったん減った排出ガスが増加したり、衛生観念の高まりで「使い捨て商品」が増えたりするなど、サステナブルと逆行する動きも懸念されています)。

 

古代ローマの科学者たちは耐久性に優れたローマン・コンクリートのように長く使える資材を生み出し、ごみや廃棄物をリサイクルして蘇らせました。長期的な視点で経済活動を行いながら、サステナブルな街づくりを実現させていたのです。古代ローマが疫病に何度も襲われながら巨大な水道橋を建設するという偉業を成し遂げたように、現在のイタリアもポストコロナを好機としてサステナブルなイノベーションを起こせるのでしょうか?

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