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2020/9/20 17:30

キノコの皮ではなく「キノコの革」の誕生で勢いを増すファッションの「サステナブル化」

近年、ファッションもどんどんサステナブル化しています。バッグや靴、財布などに使われる本革は、高級感と独特の風合いを楽しめるものですが、牛や羊などの動物の皮を利用しているため、動物愛護の観点から問題視されることもあります。世界的なブランドが脱動物性素材の動きを強めるなか、最近、注目されているのがキノコから作ったレザーです。

↑新種のレザー

 

キノコ由来の代替レザーについて調査したオーストラリアのRMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)の発表によると、キノコを活用してレザーに応用する技術は、キノコの「菌糸体」と呼ばれる構造を利用したとのこと。

 

おがくずや農業廃棄物のうえでキノコの根が成長すると、厚いマットのようになりますが、これを酸やアルコール、染料などで処理したあとに圧縮し、乾燥させると、本革と同様に取り扱うことができるようです。このような方法で作られる「キノコの革」は本物の革と同じような見た目で、耐久性もあるそう。

 

キノコから作ったレザーの魅力は、短期間で製造できること。動物は何年もの年月をかけて飼育しなければなりませんが、キノコの場合は数週間程度で単一胞子から大きくなります。

 

環境負荷に関する利点を見てみると、家畜による二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量はよく知られていますが、キノコではその量が減ると考えられます。また、キノコのレザーは生分解性なので廃棄ゴミの問題も解決できるでしょう。このようにキノコのレザーを利用することで、地球環境に配慮することも可能になるのです。

 

おまけに動物の皮の加工には環境に有害な化学薬品が使われるそうですが、キノコのレザーならそのような薬品も使わずに済むとされています。

↑名案でしょう?

 

キノコのレザーを処理する工程はシンプルで、必要最低限の機器類があれば大量生産にも応用可能なのだとか。約5年前にアメリカの企業が製造技術の特許を取得しており、2019年にアメリカやイタリア、インドネシアで、腕時計、財布、靴などの試作品が発表されています。ちなみにキノコのレザーを使ったバッグの販売価格はおよそ500ドル(約5万3000円)。大量生産されれば、安価な製品として販売されると期待されます。

 

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