世の中にはさまざまなストレス解消法がありますが、その1つが“くすぐり”。現在、ニュージーランドの研究者たちがウェアラブルな「足裏くすぐりデバイス」を開発しており、ユニークな取り組みとして注目を集めています。
くすぐりや笑いによってストレスが緩和されることは、以前から知られていました。しかし機械のような人工的なものによるくすぐりでも人の笑いを誘うのか、またくすぐりの影響が男女で異なるかどうかといった詳細については、まだ明らかになっていません。そこで、オークランド大学の研究チームがこの問題を調査しました。
この研究チームはまず、ブラシを内蔵し、足裏の指の部分から中心部分など、足裏のさまざまな部分をくすぐるマシンを開発。このマシンを使って、足裏のどの部分がもっとも笑いを誘発し、どんな笑いのパターンがあるか調べる実験を行ったのです。
対象となったのは女性7人、男性6人の合計13人。マシンで足裏のさまざまな場所をくすぐり、それぞれのくすぐったいと感じる度合を7点満点の点数で評価してもらいました。その結果、女性は「土踏まず周辺が最もくすぐったい」と感じた一方、男性は「足指のほうがくすぐったい」と感じることが判明。また、くすぐったさの点数は、女性が平均5.57点だったのに対して、男性は平均で3.83点と、女性のほうが足裏が“弱い”ようです。
この結果をもとに、研究チームは自動で足裏をくすぐるバッテリー式インソール「TickleFoot」を3Dプリンターで制作。特にくすぐりに弱かった足裏の3つのスポットに、自動で動いてくすぐる仕掛けを施しました。靴の中に入れておけば、このインソールが自動で足裏をくすぐり、笑いを誘発してくれるのです。
このインソールによる成果は明らかになっていませんが、例えば、仕事の休憩時間にスイッチを入れて、自分で足裏をくすぐるという使用場面が考えられます。さらに、遠隔操作も可能なので、離れた場所にいる家族や友人と電話しながら、お互いにスイッチを入れて楽しんでみてもいいかもしれません。このウェアラブルデバイスは、とてもユニークなストレス対策になりそうです。