キノコは電気信号を送ることで会話している。そんな驚きのニュースがイギリスから飛び込んできました。しかも、キノコのコミュニケーション方法は人間のそれとよく似ているとか。どういうことでしょうか?
これまでの研究で、さまざまな植物が電気信号を発していることがわかっています。これはキノコにも当てはまり、キノコの細胞は糸状に集まった「菌糸」と呼ばれる部分から電気信号を発していると見られています。では、キノコ同士が発信する電気信号は人間の会話と共通するところがあるのでしょうか? そんな疑問に対する答えを探るべく、西イングランド大学の研究チームが、キノコの会話のメカニズムを調べることにしたのです。
研究チームは4種のキノコを使い、菌糸部分に電極を挿入して電気信号を解析。電気信号が瞬時に上昇する「スパイク」の持続時間やそのパターンについて調べました。
その結果、スパイクの持続時間や振り幅に、キノコの種類ごとに異なるパターンが記録されたのです。さらに、そのスパイクの長さなどからグループ分けしていくと、キノコの語彙は最大で50語に達していることが判明。そのうち、よく使われるのは15~20個。長いボキャブラリーほど使われる回数は減っていることもわかりました。人間の言葉でも、長い言葉はあまり使われにくく、その傾向は人間の会話と共通するようなのです。
「キノコ語」の意味
【出典】Adamatzky Andrew. 2022. Language of fungi derived from their electrical spiking activity. Royal Society Open Science. 9211926211926. http://doi.org/10.1098/rsos.211926