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2022/6/24 11:15

ヤスデはテイラー・スウィフトに。生き物の意外な名付け方

最近、新たに発見されたヤスデにポップスターの名前が付けられ、海外で話題になりました。しかし、それは決して珍しいことではなく、世界には「セレブ」な名前を持つ生き物が少なくありません。いくつか紹介しましょう。

↑キミの名は……

1: 歌姫のおかげで見つかったヤスデ

グラミー賞を11回受賞している世界的シンガーソングライターの「テイラー・スウィフト」の名前が、米国・テネシー州のアパラチア山脈で発見された新種のヤスデに付けられています。この名前を付けた科学者は、命名の理由について「テイラーの音楽が、自分の研究に影響を与えたから」と語っているそう。大学院での研究を支えてくれたので、感謝の気持ちを込めて名付けたのだとか。ちなみに、このヤスデと同時に別の16の新種も発見しており、そのうちの1つには「自分の研究を支えてくれた」妻の名前を付けています。

 

2: 米国歴代大統領の名を持つ寄生虫

米国大統領の名前も人気がある模様。例えば、米国の第44代大統領である「バラク・オバマ」の名前は、7つ以上の生物に付けられています。しかも、そのうちの2つは寄生虫。2012年にケニアで発見された寄生虫と、2015年にマレーシアの淡水ガメの肺に寄生する寄生虫の2つに、バラク・オバマの名前が付けられています。そのほか、トカゲやクモなどの中にもバラク・オバマの名前が命名されているものも存在します。

 

また、第45代アメリカ大統領の「ドナルド・トランプ」の名前は、新種の蛾の名前になっています。この蛾の頭部に金色の断片のようなものが付いており、それがドナルド・トランプ元大統領のヘアスタイルに似ていることから、付けられたのだとか。

 

3: ロックンロールなクモ

中国の最高研究機関と言われる中国科学院の科学者が2021年、クモの4つの新種を発見。それに、ロックバンドの「ボン・ジョヴィ」の名前を付けています。残りの3つのクモには、16世紀の博物学者の名前や、俳優、映画監督の名前を付けたとか。

 

最高の栄誉?

科学者は新種の生き物を発見すると、「国際動物命名規約(ICZN)」という国際的な規約に則りながら、数か月から数年もの時間をかけて論文を書きます。この論文を発表して初めて、新種を世界に発表することができそう。科学者たちにとって自分で新種を発見し、自由に名前を付けることは憧れであり名誉あることですが、その新種に付けられた人物には、尊敬や感謝の意味合いが含まれていることが多いようです。

 

ただし、新種を発見した人が自由に命名できるとなると、例えば残虐な行為を行った歴史的人物の名前を生き物につけることも可能。しかも現状のシステムでは、人道的な理由でICZNが生物の名前を変更することはできないそうです。このことに異論を唱えている科学者もおり、生き物の命名プロセス自体が見直されるかもしれません。