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2023/5/12 17:30

米「ウェンディーズ」がドライブスルーでAIを試験導入。数十億通りの注文をさばけるか?

最近のテック関連の話題といえば、ChatGPTをはじめとしたAI技術。人材不足にあえぐ飲食業界も当然そこに目を向けているでしょう。最近では、米ファストフード店のウェンディーズが、AI搭載型のチャットボットをドライブスルーに試験導入するというニュースが飛び込んできました。

↑AIを試験導入する米・ウェンディーズ

 

ウェンディーズがタッグを組んだのは、Google Cloud。同社の生成AIと大規模言語モデル(Large Language Model〔LLM〕)の技術を使って、「Wendy’s FreshAI 」と名付けられたAIチャットボットが開発されました。オハイオ州コロンバス地区の店舗で6月より試験導入し、ドライブスルーの客に対応していきます。

 

しかし、ウェンディーズでの顧客対応で課題となるのが、メニューの複雑さ。ウェンディーズでは注文をカスタマイズすることが可能なため、AIチャットボットが受ける注文の組み合わせは数十億通りにもなるそう。そのため、誤って認識したり、誤った注文を受けたりすることも考えられます。

 

さらに、客が正しく商品名を言わずに注文することもあるでしょう。例えば、客が「ミルクセーキ」と言ったとき、それはウェンディーズで販売されているミルクシェイクの「Frosty(フロスティ)」のことであると判断できなければなりません。おまけに、周囲から騒音が聞こえるなか、客の声をはっきりと聞き分けることなども求められます。

 

テック企業のIntouch Insightによると、2022年時点でAIチャットボットによる注文の精度は79%だったそう。ウェンディーズは、これを85%まで引き上げたい考えです。

 

他のファストフード店では、マクドナルドもAIチャットボットの導入を発表したほか、ポパイやソニックも試験導入を行っているところ。近未来のファストフード店では、AIの接客が当たり前になるかもしれません。

 

【主な参考記事】

The Guardian. Wendy’s to test AI chatbot that takes your drive-thru order. May 10 2023
Wendy’s News Release. Wendy’s Taps Google Cloud to Revolutionize the Drive-Thru Experience with Articial Intelligence. May 9 2023