大切な人が亡くなってしまったら、「もう一度目を覚まして」と願うことでしょう。でも、それが現実に起こったら、誰もが驚いてしまいますよね。そんなことが最近、エクアドルで実際に起きたのです。
この出来事が起きたのは、ある76歳の女性の葬式の最中でした。その女性は医師によって死亡が確認され、家族が葬儀を行っていました。ところが、葬儀が始まってから5時間後くらいに棺桶の中から不思議な音が聞こえてきたそう。中を見てみると、この女性が息をしており、棺桶を叩いていたのです。家族は驚愕し、棺桶を放置して、彼女を連れて病院に直行したというのです。
米国の公共ラジオ放送・NPRの記事で、英国のアングリア・ラスキン大学医学部のスティーブン・ヒューズ医学博士は「亡くなったと思われた人が目覚めることは極めて稀なこと」と述べています。
ヒューズ博士は、人の死亡を確認する際、患者の反応をうかがい、脈拍、呼吸の有無を確認し、最後に目に光をあてて瞳孔が開くかチェックすると言います。しかし、例えば、冷たい水の中にいた人は脈拍も呼吸も低下し、死亡確認で見落としが起きる可能性もあるそう。また、患者をざっと診察しただけで死亡を判断するような医師や、教育が不十分な医師は、死亡の診断を見誤る可能性もあると言います。
実際、1月には米アイオワ州で、ホスピス患者が葬儀場に運ばれたものの、遺体の袋に入った患者が中で息をしていることがわかったそう。2月にはニューヨークで、老人ホームの老人が葬儀場で生きていることが発見されています。しかしヒューズ博士によると、このような例は「世界でも年間に3〜4件程度ではないか」とのこと。
エクアドルの76歳の女性は病院に戻ったものの、深刻な状況とされています。一方、今回の出来事を受けて、エクアドル政府はこの病院を調査しています。
【主な参考記事】
NPR. A woman in Ecuador was mistakenly declared dead. A doctor says these cases are rare. June 14 2023
AP. Woman declared dead in Ecuador revives during her wake; health authorities investigate. June 13 2023