「睡眠離婚」をご存知でしょうか? 米国で2000人以上を対象に行われた調査で、睡眠離婚している人が全体の3分の1以上に及び、特に若い世代はその割合が高いことが明らかとなったのです。
睡眠離婚とは夫婦やカップルがそれぞれ別の部屋で寝ること。米国睡眠医学会が2005人の米国人に行った調査で、「いつも別の部屋で寝ている」は15%、「別の部屋で寝るときもある」は20%と、睡眠離婚している人が全体の35%に達していたことが分かりました。
世代別に見ると、睡眠離婚している割合は以下の通りです。
- Z世代(18~26歳):28%
- ミレニアル世代(27~42歳):43%
- X世代(43~58歳):33%
- ベビーブーム世代(59~76歳):22%
- サイレント世代(77歳~):19%
離婚睡眠の割合が最も高いのは、ミレニアル世代で43%。Z世代を除き、世代が低くなるほど睡眠離婚の割合が高くなっているのが分かります。
「離婚」という言葉がついていることから、ネガティブなイメージをもたれるかもしれませんが、睡眠離婚にはメリットがあります。
パートナーのいびきや寝言などが原因で十分な睡眠が取れていないと、自分の睡眠不足の原因となる人に恨みがましい気持ちが生まれるかもしれません。「睡眠不足は気分を悪くし、パートナーと口論しやすくなることが分かっています。それが夫婦やカップルの関係に悪影響を及ぼすこともあります」と、米国睡眠医学会の医学博士は述べています。
実際、耳栓をして寝ている人は15%、アイマスクを付けている人は18%と、快適に快眠できるようになんらかの工夫をしている人が少なくありません。そのため、しっかり睡眠をとって毎日を元気に過ごすためには、睡眠離婚という選択肢を考えることもありなのかもしれません。
一方で、夫婦やカップルが一緒に寝ることにもメリットはあります。例えば、睡眠時無呼吸症候群やいびきなど、片方の睡眠状態に気づいて治療を早期に始めることができるかもしれません。また、ハグすることで「抱きしめホルモン」と呼ばれるオキシトシンなどが分泌され、幸福感を感じられることもあります。パートナーとの睡眠に問題がないのなら、ぜひ同じベッドで寝て、問題がある場合には別々に寝ると良いそうです。
【主な参考記事】
CBS News. More than a third of Americans have a “sleep divorce,” survey finds. July 11 2023
American Academy of Sleep Medicine. AASM Sleep Prioritization Survey