「大学生のオリンピック」とも呼ばれるFISUワールドユニバーシティゲームズ。2年に1度開催され、各国の大学生または大学院生が参加するスポーツの大会です。現在、中国の成都で開かれているのですが、ミステリアスなことが起こり、波紋を呼んでいます。
問題となっているのは、先日行われた女子100mのレースでのこと。このレースに出場した、ソマリアのナスラ・アブカル・アリ選手(20歳)が、「遅すぎる」結果に終わったのです。
スタートの合図が鳴ると、数秒後には周囲の選手からあっという間に引き離され、結果はビリ。1位の選手が11.58秒でゴールしてから遅れること約10秒、ようやくゴールにたどり着いたのです。
100mに20秒以上もかかるのは、国際試合にはふさわしくない“素人並みの記録”。そんなことから、彼女のレースの動画がSNS上で広がり、「彼女はなぜ選手として選ばれたんだ?」という疑問の声が上がりました。
確かに動画を見ると、スターティングブロックに足をかけるときに、ぎこちなさがあるうえ、ジョギングしているような走りと、最後はスキップしているようにも見えます。そんな“素人っぽさ”も、このネット上の波紋に拍車をかけたのかもしれません。
これを受けて、ソマリアのスポーツ大臣がこの選手について公的に謝罪。大臣は、この選手がどうやって選ばれたか把握していないと述べ、ソマリアオリンピック委員会の委員長を停職処分する旨を発表しました。
ソマリアの大学組合は、ソマリアの公式チームとしてこの選手を中国に派遣していないと述べているそうで、この選手がどうやって出場したかは謎のままのようです。
The Ministry of Youth and Sports should step down. It’s disheartening to witness such an incompetent government. How could they select an untrained girl to represent Somalia in running? It’s truly shocking and reflects poorly on our country internationally. pic.twitter.com/vMkBUA5JSL
— Elham Garaad ✍︎ (@EGaraad_) August 1, 2023
【主な参考記事】
The Guardian. Somali sports minister sorry after ‘slowest ever’ 100m runner goes viral. Aug 2 2023