プラスチックが目に見えない微小なサイズになった、マイクロプラスチック。最近の研究では、市販されているペットボトルの水に、これまで考えられていたよりずっと多くのマイクロプラスチックが含まれていることが明らかになりました。
マイクロプラスチックは、5ミリメートルから1マイクロメートルのプラスチックの粒子。1マイクロメートルは、100万分の1メートルで、人の髪の毛の1000分の1の大きさです。このようなマイクロプラスチックは、海水のほか、エベレストの山頂近くでも確認され、すでに人の血液からも見つかったという報告もあります。
今回発表された論文で、米コロンビア大学の研究者が、米国で販売されているペットボトルのうち、人気の3ブランドについて分析。1リットル当たり11万個から37万個、平均で24万個ものプラスチック粒子が含まれていることを確認したのです。24万個のうち約1割はマイクロプラスチックで、残りの約9割はマイクロプラスチックよりも小さいナノプラスチックでした。
5年前に同じ研究者が調査した際は、ナノプラスチックの存在を確認する方法がなかったため、確認されたプラスチックの粒子は1リットル当たり数百個のレベルでした。つまり、今回の発見は、これまで考えられていたよりずっと多くのマイクロプラスチックがペットボトルの水に含まれていたことを証明するものだったのです。
気になるのは、これらのマイクロプラスチックがどこから来たのか。ある研究者は、製造工程で入った可能性があるのではないかと仮説を立てて、調査を行っています。
私たちの知らない間に、身体の中に大量に流れ込んでいるかもしれない微小なプラスチック。健康への影響については、まだ研究が始まったばかりで解明されていません。しかし、たとえ微小な量でも、長年蓄積したり、血液や細胞のあちこちに入り込んでいったりすれば、身体になんらかの悪影響を及ぼす可能性は否定できないのではないでしょうか?
【主な参考記事】
CNN. Bottled water contains thousands of nanoplastics so small they can invade the body’s cells, study says. January 8 2024