NASA(米国航空宇宙局)は、宇宙飛行士のみならず、民間人も月に送り込む移住計画を本気で進めています。しかし月では「地震」ならぬ「月震」が起きており、当初考えられていたほど、住みやすい場所ではないかもしれないのです。
宇宙飛行士を月面着陸させるアポロ計画で、月には4台の地震計が設置されており、浅い月震が起きていることはわかっていました。また、観測された月震の中で最大だったものは南極近くで起きていて、記録された最も強い月震はマグニチュード5.0相当。しかし、その震源が何なのかは不明でした。
そんな中、最近明らかになってきたのが、月が縮んできているということ。過去数百万年で月の外周は約46メートル短くなっているというのです。
これは、月の中心部分が徐々に冷えて縮小することによって、ぶどうが干しぶどうになるときのように、表面にはしわができて、それが月震や地滑りを引き起こすものと見られているのです。
地球上の地震について、いつ、どこで、どのくらいの規模で起きるかを予測するのが難しいように、月震についても正確に予測するのはできないそう。
将来の月面着陸ミッションの際に、月震がリスクとなることは確実でしょう。ただし、人類の移住計画については、現段階で考えられるのはごく短期間の滞在。最近の米CNNで記事で、米国の地球物理学の研究者は「その間に月震が起こる可能性は非常に低い」と述べていますが、月震の存在を知っておくことは価値のあることと言えるようです。
【主な参考記事】
CNN. Earth’s moon is shrinking. Here’s what scientists say that could mean. January 31 2024