米国の億万長者は、やることのスケールがとにかくデカい! そう実感させられるエピソードが、先日、マサチューセッツ大学ダートマス校で行われた卒業式での一場面です。
卒業式の講演に招待されたのは、ロバート・ヘイルさん。通信会社のGranite Telecommunicationsの創業者であり、CEOを務める人物で、推定資産は54億ドル(約8500億円※)とも言われています。
※1ドル=約157円で換算(2024年5月31日現在)
ヘイルさんは、スピーチの最後に「みなさんへ二つの贈り物をしたいと思っています。一つは私たちからあなたへの贈り物。二つ目は寄付という贈り物です」と話しました。
そしてステージの外を指さして、「あのトラックを見てください」と呼びかけたのです。そのトラックの中には「3000枚の封筒が入っていて、皆さんに現金1000ドル(約15万円)を贈ります」と言ったのです。
ビックリして口をあんぐり開けている学生。思わず椅子から立ち上がってしまった学生など、その反応はさまざま。でも、すぐさま会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
ただし、ヘイルさんは「条件があります」と続けました。「500ドルは私たちからあなたへの贈り物。そして残りの500ドルは、あなたよりもそれを活用することのできる誰か、あるいは組織に寄付するためのもの」というのです。
ヘイルさんはこれまでも慈善活動を行い、がん研究所などに多額の寄付を行ってきた人物。「私たちのコミュニティや世界は、これまで以上に私たちの助けを必要としています。私たちが人生で得る最大の喜びは‟与える”という贈り物です」と呼びかけたのです。
寄付が日本よりも身近に、そして頻繁に行われている米国。そんな国で寄付する喜びを感じてほしい、というメッセージだったのでしょう。
自分が得た多額の資金を独り占めすることなく、困っている人や助けが必要な人に、惜しみなく手を差し伸べる。そんな彼の姿勢は、きっと多くの学生に伝わったのではないでしょうか?
【主な参考記事】
USA Today. Video captures grads’ reaction when billionaire commencement speaker gifts them $1,000 each. May 29 2024