かつて宇宙へと人類を運び、地球に帰還した米国の宇宙船「スペースシャトル」。そのスペースシャトルを小さくしたようなインドの宇宙船が、地上への着陸試験に成功しました。
2024年6月に実施されたテストでは、再使用が可能な宇宙船「Pushpak」による、自立着陸技術「Reusable Launch Vehicle(RLV)Landing Experiment(LEX)」が実証されました。全長6.5mの宇宙船はヘリコプターで上空4.5kmまで持ち上げられ、空中から放出。その後、Pushpakは自律的に滑走路に接近し、パラシュートを使って滑走路の中央に正確に着陸しました。
「内蔵システムが完璧に機能し、飛行機が3回連続で滑走路の中心線に着陸することができました」と、テストを実施したヴィクラム・サラバイ宇宙センター(VSSC)の担当者は述べています。「滑走路の中心線から500メートル離れていた飛行機は、最終的には11センチのところまで近づきました」
今回のテストは、インドにとって3回目のデモンストレーションとなりました。今後は、軌道再使用型宇宙船の「RLV-ORV」の開発に乗り出します。また、同国は10年以内にこのような宇宙船を運用することを目標としており、さまざまなミッションへの使用が期待されています。
翼を備えた宇宙船が、宇宙から地球に帰還する。スペースシャトル計画の終了後あまり目にしなくなった光景が徐々に復活するのかもしれません。