もしも事故で両脚が不自由になったら……。再び自分の脚で歩けることは、きっと大きな喜びになるでしょう。パリ五輪を前に先日、下半身不随のパラリンピック選手がロボットの外骨格(エクゾスケルトン)を装着して聖火リレーに参加。感動的なシーンが世界中に報じられました。
ケビン・ピエット選手(36歳)は、車いすテニスのフランス代表です。11歳のときに事故に遭い、両脚が不自由になりました。そんな彼が、今回のパリ五輪の聖火リレーに登場したのです。
普段から車いすで生活するケビン選手。しかし聖火リレーでは、両脚から胴回り、さらに背中部分も支えるロボットの外骨格を装着。自らの脚を地にしっかりとつけ、聖火を手に、一歩一歩前に進んでいったのです。
歩幅は小さく、一歩一歩踏み出すペースもゆっくりですが、しっかりと自分自身の脚で前に歩いているケビンさん。時折、足もとを気にしながらも、笑顔で歩みを進めていく姿はとても感動的です。
このシーンを動画で紹介したSNSでは、「本当によかった」「こんなに幸せそうな顔は見たことがない」「素晴らしい技術が活用されている」など、テクノロジーの力を借りて自分の脚で歩いているケビンさんの姿を見て、胸を熱くしている人々の声が集まっています。
ケビンさんが装着していたロボットの外骨格は、フランスのワンダークラフトという企業が開発し、昨年12月に公式に発表された物。背中部分にセンサーが付いていて、装着している人が歩いたり立ったりしたいときに動きを感知して、立つ、座る、歩く、階段を上るといった動作をサポートします。
五輪の聖火リレーという多くの人の注目が集まる場で披露されたロボットの外骨格。自力での歩行が困難な方に、きっと明るい光を見せてくれたのではないでしょうか?
【主な参考記事】
Daily Mail. Watch the heartwarming moment French Paralympian, Kevin Piette, who has been paraplegic since an accident at age 11, makes history as he carries the Olympic flame through Paris while wearing a robotic exoskeleton. July 24 2024