海を越えた異国の人とも、ビデオ電話を通して顔を見ながらリアルタイムで話ができるようになった今日。次は遠く離れた人と‟手をつなげる”ようになるかもしれません。
このデバイスを開発しているのは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのサラ・アバド博士率いるチーム。彼らがいま研究しているのが、指先に装着するデバイスです。複数のエリアで速度や強さの異なる振動を4本の指先に伝えて、リアルな触感を再現するというものです。
皮膚は私たちの身体にある大きな器官の一つで、質感や形など、さまざまな情報を与えてくれます。
サラ博士は「残念ながら、ビデオ通話には障壁があります。社会的な絆を築くためには触れ合いが必要ですが、ビデオ通話ではそれができない」と、人と人とが触れ合うことの重要性について指摘しています。
そこで、指先のデバイスでいずれ、遠隔であっても人と人とが手を握っている感覚を伝えられることを目指しているのです。
この技術が実現すれば、遠距離恋愛中のカップルがお互いの手を触れ合う感覚を味わったり、遠く離れた地で最期のときを迎える家族に手を添えたりできるでしょう。また、医療現場では、医師が遠隔で健康な組織とがん組織を区別するのに利用することも考えられるといいます。
いまでこそテレビ電話が当たり前になりましたが、数十年前にはきっと夢のような話だったはず。それを実現したように、将来は遠く離れた人とデバイスを通して触れ合うことだってかなうかもしれません。
【主な参考記事】
Daily Mail. How you may soon be able to hold hands with a loved one who lives thousands of miles away – through a new soft fingertip device. September 12 2024