実業家のイーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業のスペースXが、落下する宇宙船の一部を巨大なアームで箸みたいにキャッチすることに成功しました。
今回、同社がテスト打ち上げを実施したのは、次世代ロケットの「スターシップ(Starship)」。ブースターの「スーパーヘビー(Super Heavy)」と組み合わせることで、全長121メートルにもなる巨大ロケットです。このロケットは、月面探査から火星移住にまで使われる予定。
スターシップは10月13日にテキサス州南部の施設から打ち上げられました。7分後に大気圏に再突入し地上へと戻ったスーパーヘビーは、「メカジラ(Mechazilla)」と名付けられた発射塔のアームに着陸することに成功。ロケットの上段もインド洋上への軟着水を実施しました。
これまでのスターシップでは、スーパーヘビーの下部に取り付けられた「脚」を展開することで、地面に着陸していました。しかし、発射塔のアームでブースターを回収することで、宇宙船を素早く再使用することが可能になります。
今後もスターシップはテスト打ち上げを実施し、2026年9月には米航空宇宙局(NASA)の有人月面探査ミッション「アルテミス3(Artemis III)」での使用が予定されています。今後もスペースXの進展に注目です。
Source: Space.com