まだ世の中にないものやストーリーあふれるチャレンジが集まる 応援購入サービス「Makuake」から注目のプロダクトをピックアップ。 デザイナー、経営者、テレビ番組のコメンテーターなど、 多岐にわたる活動を展開するアートディレクターの山崎晴太郎さんに、 開発担当者との対談を通じて製品の魅力を深掘りしていただきます! 第2回のテーマは仔犬印「給食缶ミニ (JOURNAL STANDARD FURNITUREコラボ特別デザインモデル)」です。
【Makuake×GetNavi】山崎晴太郎のNEXT CREATORS 仔犬印 給食缶ミニ(JOURNAL STANDARD FURNITUREコラボ特別デザインモデル)
仔犬印
給食缶ミニ
(JOURNAL STANDARD FURNITUREコラボ特別デザインモデル)
1万4800円
Makuake応援購入実施中(〜6月3日22時00分)
調理・保存・温め・持ち運び、すべてがこれひとつで叶う料理道具。給食缶をデフォルメしたもので、機能性や密閉性を完全再現している。コラボモデルはハンドルと蓋にウッドをあしらい、より手に馴染みやすくあたたかみのあるデザインに仕上げられている。
SPEC●サイズ/容量:φ約140㎜×H約120㎜/2.25ℓ(質量は1015g)
“作る”から“運んで、開く”まで、ウキウキ感が続くプロダクト!
デザイナー・山崎晴太郎さん
企業のデザイン戦略とブランディングを軸に、グラフィックからプロダクトまで幅広いディレクションを展開。デザインで社会を変えるという信念のもと、省庁や企業と連携し課題解決に取り組む。セイタロウデザイン代表。TV番組コメンテーターとしても活躍中。
※山崎晴太郎さんの「崎」の字は、正しくは「大」の部分が「立」になります。
仔犬印
創業74年目の調理器具メーカー、本間製作所。「仔犬印」というブランド名でレストランや給食調理場、食品工場向けの業務用調理器具を手掛ける。2020年より、一般向け製品の開発販売も積極的に展開。Makuake第1弾「ボウルシリーズ」も好評で、約1174万円の購入額を達成した。
株式会社本間製作所
小片 昇さん
じつはいままでなかった火で温め直しできる密閉容器
山崎さん(以下敬称略)“給食缶”って、日本で幼少期を過ごした人にとっては特別で、ノスタルジックな気分を味わえるアイテムですよね。あのときのゴハンの味や温かさとともに、当時の懐かしい記憶を湧き立ててくれて、ただのランチタイムとは別の価値を提供してくれるプロダクトだと思います。
小片さん(以下敬称略)“給食”というカルチャーが背景にあるからこそ購入してくださるお客様が多いのも事実ですね。
山崎 家庭用サイズにデフォルメしようとしたきっかけは何だったのですか?
小片 “お裾分け容器の新しい提案”として、開発に至りました。知り合いの社長さんが、汁物などの料理を社員に振る舞いたい時に、持ち運べるちょうど良い容器がないと困っていらっしゃったんです。それを聞いて、汁物を安心・安全に詰めて持ち運べて、火で温め直しができる容器ってじつは世の中にあまりないなぁ……と。弊社が得意とする給食缶ならパッキングが完璧で落としても倒しても中身がこぼれませんから、ミニチュア化してみようとなりました。
山崎 そういう意味でいうと“エアポケット”にある商品ですね!
小片 「入院中の母に汁物を届けるときにも重宝します」など、料理の運搬目的でご購入される方が圧倒的に多いです。個人的にはアウトドアで使ってくださる方が多そうだなと予想していたのですが。
山崎 焚き火でも使えるし、アウトドアに向いてますよね。キャンプで使ったらワクワクしそう(笑)。
小片 そうなんですよ。本格的なお料理をおうちで作ってキャンプ先で温めて食べられる……というのは、特長のひとつ。あと、残った料理をそのまま中に入れて持ち帰りできる点も意外と便利です。
山崎 キャンプ場だと汁物の捨て方ってすごく困るんですよ! 余りものをそのまま持ち帰りできるのはイイなぁ。このプロダクトって、“運ぶ”“開く”“調理し直す”行為が、気持ちとして切れないですよね。「作りました。では、タッパーに入れて持って行きましょう」というのとは体験の価値が違う。料理を「給食缶」に入れて持って行くとなると、作ったときのウキウキのテンションのままで現地で蓋を開けられる。場所が変わって時間が経っても、気持ち自体は切れない。それがすごく良いですね。
小片 「持ち運びたくなるデザイン」というのをかなり意識しています。少しおもちゃ感があって、この容器自体をお披露目したくなるようなフォルムを目指しました。
山崎 アツアツの料理を入れて蓋が開かなくなった時に、蓋のつまみを押すと空気が入って開けやすくなる仕組みもスゴいですよね。これは最初から付けようと思っていた機能なんですか?
小片 業務用にはデフォルトで付いている機能です。なので、家庭用サイズに落とし込むときにもそこは外せないなと(笑)。
山崎 BtoBでやってきた会社さんだからこその便利機能なのですね。デザインから細部の機工に至るまですごくこだわっていらっしゃるけど、プロダクトとしてはプリミティブ(原始的)な形に落ち着いていますよね。“長く使ってもらいたい”という、時間に対する責任をものすごく強く持たれているのかなという印象を受けました。
小片 その気持ちは強いです。「JOURNAL STANDARD FURNITURE」さんとコラボしたモデルは、蓋とハンドルの単品販売も行います。ウッドをあしらったデザインなのですが、すでに「給食缶ミニ」をご愛用されてる方々にも着せ替え感覚でファッション的にも楽しんでいただけたらいいなという思いを込めています。
山崎 個人的にはオプションで、中を仕切る板が欲しいなぁ。火鍋みたいに左右で汁物の味を変えられると、大人味と子ども味の2種類が必要な家庭のキャンプで大活躍すると思うんですよ!
小片 確かに、そういうオプションがあると便利そうですね! 今後もいろんなご意見を聞かせていただいて、開発の参考にしたいです。




※こちらは「GetNavi」2025年5月号に掲載された記事を再編集したものです。
構成/ゲットナビ編集部 文/えんどうまい 撮影/中村 功(山崎さん)