グルメ
2017/12/16 10:50

あのトゥモローランドがバーガー店をプロデュースしていた! ナチュラル&オーガニックへのこだわりこそ「BAREBURGER」の真骨頂

「NYのあの店が日本初上陸」といった見出しをニュースでよく見る。オープン当初はメディアもこぞって取り上げて、何時間待ちという長い行列が店の前にできたものだが、問題は「その後」だ。当初の華々しさに比べると、その後の動きはどうもよくわからない。情報が更新されぬまま、「きっといまも混んでいるんだろう」と決め込んで、足を運ばずにいる人も少なくないのではないだろうか。

 

そこで、2015年以降に日本に上陸し、世間をにぎわせたアメリカのハンバーガーチェーン5店について、「その後」を追ってみた。話題のあの店は、その後どうなっているのだろうーー。

 

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初上陸系バーガーのその後 第4回「BAREBURGER」

「Shake Shack」の上陸からさかのぼること3か月前、2015年7月19日に同じNYのハンバーガーレストラン「ベアバーガー」が日本1号店をオープンしている。場所は自由が丘。中庭にカエデの木が植わる小さなショッピングコート「メープルファーム」の一角だ。

↑日本1号店、「メープルファーム」の自由が丘店
↑日本1号店、「メープルファーム」の自由が丘店

 

セットメニューも登場! 便利になったベアバーガー

同店の創業は09年。現在世界に47店を展開、その多くがNYに集中している。海外の店はカナダのトロント、ドイツのフランクフルト、UAEのドバイ、そして日本の東京。16年3月には「東急プラザ銀座」に日本2号店がオープンした。これら日本のベアバーガーはアパレルブランド「トゥモローランド」がプロデュースしている。

 

上陸から2年を経て、同店にも変化が見られる。まず、それまでなかった「セットメニュー」を去年16年の12月より始めた。お得な平日のランチセットが自由が丘・銀座それぞれにある。

 

銀座店は夜の「ビール」にも力を入れており、夕方4時からおつまみ2品とクラフトビールが1000円(以下:すべて税抜)で楽しめるセットを用意。また、メニューそのものも米国流の「文字だけ」から、写真を使ったものへとデザインを一新。バーガーの価格も見直され、最大500円の大胆な値下げを敢行。グッと求めやすくなった。

↑自由が丘店の人気メニュー「マッチョ フライ」(900円)。フレンチフライに15か月以上熟成させたエイジドチェダーチーズを絡めて炒めた一品。芳ばしくて食べる手が止まらない
↑自由が丘店の人気メニュー「マッチョ フライ」(900円)。フレンチフライに15か月以上熟成させたエイジドチェダーチーズを絡めて炒めた一品。芳ばしくて食べる手が止まらない

 

キーワードは「オーガニック」&「ナチュラル」

同店のコンセプトはオーガニック、そしてナチュラル。添加物を極力含まない食材、ホルモン剤・化学肥料等を使わない食材を厳選している。その徹底のため、米本国からわざわざ輸入する調味料も多い。卓上のケチャップとマスタードはUSDA(米国農務省)のオーガニック認証を受けた材料から作ったものだ。

 

特に銀座店は外国人客が多く、それぞれの食事の条件や要望に応じたバーガーが食べられる店として大好評を博している。グルテンフリーとビーガンは通常メニューで対応可能。卵と牛乳がダメな人には、それらを使わない「マルチグレインバンズ」や、ケールの葉で包んだ「グリーンラップ」を勧めることもできる。

 

ドリンクメニューにも「organic」の文字が多数。コーヒー・紅茶は言うに及ばず、キビ糖由来の糖分を使ったナチュラルコーラ「ベアコーラ」430円や、ナチュラルソーダまである。ワインはスパークリングも含め、オーガニック。ビールはボトル2種がオーガニック。カクテルもオーガニックスピリッツがベース。さながら自然食品の店のような品揃えだ。

↑一番人気の「カウンティ フェア」(1380円)。エイジドチェダーのコク味が利いた、味わいジューシーなチーズバーガー
↑一番人気の「カウンティ フェア」(1380円)。エイジドチェダーのコク味が利いた、味わいジューシーなチーズバーガー

 

オーガニックビーフと「峰屋」の傑作バンズの競演

バーガーメニューは自由が丘店12品、銀座店は9品。銀座にはスライダー(ミニバーガー)がある。さらに月替わりの「マンスリーバーガー」を今秋より両店でレギュラー化させた。同店のバーガーを知るには、まず「カウンティ フェア」1380円から頼むとよい。15か月以上熟成させたストロングチェダーチーズが挟まる、チーズバーガーだ。

 

パティは豪州産グラスフェッド(牧草飼育)のオーガニックビーフを使ったサイズ150グラム。米国から輸入のオリジナルスパイスを加え、鴨の油を引いたグリドルの上で焼いている。焼き方は通常ミディアム。挽きの細かな肉の粒が集まった、やわらかなパティだ。バンズは日本を代表する名店・新宿「峰屋」のブリオッシュバンズ。無添加・天然酵母、通常の5~6倍の卵を使ったリッチな逸品で、甘くやわらかな生地が肉の脂とよく合う。そこへトマトほか生野菜とピクルス。ライトでクリーミーなマヨネーズは卵不使用。赤身肉の豊かなコクと芳ばしさが味わいの中心。個々のパーツの表情豊かな、シズル感たっぷりのチーズバーガーだ。

↑オニオンリングとフライドポテトが乗ったボリューミーな一品「シュプリーム」(1580円)。セットの"イモ"は、ジャガイモかサツマイモ(スイートフライ)から選択可能
↑オニオンリングとフライドポテトが乗ったボリューミーな一品「シュプリーム」(1580円)。セットの”イモ”は、ジャガイモかサツマイモ(スイートフライ)から選択可能

 

雑誌などによく登場する、頭に「輪っか」の乗ったバーガーは「シュプリーム」1580円。国内の契約農家から仕入れたオーガニックな玉ねぎをNon-GMO(非遺伝子組換え)のキャノーラ油で揚げたオニオンリングが、バーガーの中と外に計3つ。ハンドカットした皮付きポテトのフライが4本、ベーコン、エグモントチーズなどが入った、カロリーならびに食べごたえ満点の一品だ。さらにその上を行くメニューに、「幻の和牛」と呼ばれて人気の稀少牛「尾崎牛」を使った「トゥモロー バーガー」2480円がある。こちらが同店の真の最高峰。

 

そんなナチュラルでオーガニックなハンバーガーレストラン、それがベアバーガー。なお、「ベア」の綴りは“bear”ではなく“bare”。「裸の」「ありのままの」といった意味だが、しかしマスコットキャラクターには多数の“bear(クマ)”が登場する。キッズメニューの名前は「パンダ」と「グリズリー」。もうどう見ても「クマ」である。

↑「東急プラザ銀座」10階の2号店
↑「東急プラザ銀座」10階の2号店

 

― shop data ―

ベアバーガー 自由が丘店

所在地:東京都目黒区自由が丘2-16-10 メイプルファーム内

アクセス:東急電鉄 自由が丘駅歩4分

オープン:2015年7月19日

営業時間:11:00~21:00(LO 20:30)

定休日: 無休