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2016/5/8 22:08

大吟醸とは? 吟醸の違いはわかる?? 日本酒の種類がわかるたった2つのポイント

本醸造酒に純米酒、吟醸酒に純米大吟醸……みなさん、聞いたことはあると思いますが、その違いを正しく説明できますか? 実は、この違いを説明するために覚える要素はたった2つ。「醸造アルコール」と「精米歩合(せいまいぶあい)」です。これさえ押さえれば、お酒の種類や味の傾向はバッチリ。同僚や友人、異性に一目置かれ、日本酒が楽しくなること間違いなしです。日本酒の種類とともに旬な銘柄も紹介していきますので、合わせてチェックしてみてください!

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まずは2つのポイントを解説し、これを踏まえたうえで、個別の日本酒の種類を見ていきましょう!

 

ポイントその1

醸造アルコールとは?

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純度が高くて無味無臭。加えると酒質がクリアになる効果も

サトウキビなどを原料にした蒸留酒で、純度が高く無味無臭。日本酒を造る過程で添加します。こちらを添加せず、米、米麹、水だけで作るのが純米酒です。「アルコールを添加するのは良くない!」と、飲む前から避ける人がいますが、それは非常にもったいない。醸造アルコールを添加することで、さらりとした酒質になり、香りがよくなるといったメリットもあります。まずは毛嫌いせずに試してみましょう。

 

 

ポイントその2

精米歩合とは?

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米を削った割合のこと。精米歩合が高い(数値が低い)ほどすっきりした味わいに

お米は外側に近い部分に脂質やアミノ酸などを多く含んでおり、これらは旨みのもととなる反面、雑味の原因となります。そこで、澄んだ酒質にするため、お米の外側を削るのが精米です。精米歩合(せいまいぶあい)とは、精米した後に残った酒米をパーセンテージで表示したもの。精米歩合35%とは、65%を削って残りの35%を原料にしたという意味です。精米歩合を高くする(削る部分を多くする)と、香り高くすっきりとした酒質になり、低くすると濃厚な味わいのお酒になります。

 

 

種類その1

庶民の心強い味方!

普通酒

(ふつうしゅ)

醸造アルコールを加えたもので、精米歩合には規定なし。特定名称酒(以下の8種類の酒)に含まれない清酒はすべて普通酒。酒税法の特定名称酒の条件を満たさないだけで、普通酒でもおいしい酒は数多くあります。

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↑静岡県の「喜久醉 普通酒」(1.8ℓ 1944円)。普通酒ながらフルーティな香りときれいな酒質が楽しめ、「ほぼ吟醸」との声も。ぬる燗も抜群!

 

種類その2

スタンダードなお酒

本醸造酒

(ほんじょうぞうしゅ)

原料が米、米麹、水、醸造アルコールで、精米歩合が70%以下。本造り、本仕込みともいいます。すっきりした辛口になる傾向が多く、日本酒のスタンダードといってもよいタイプ。燗にも向いているものが多いです。

↑「〆張鶴 月」(1.8ℓ2138円)。言わずと知れた新潟の定番酒。淡麗な味わいながら、ま ろやかな米の甘みが感じられます
↑新潟県の「〆張鶴 月」(1.8ℓ  2138円)。言わずと知れた名門が醸す本醸造。淡麗な味わいながら、まろやかな米の甘みが感じられます

 

種類その3

米の旨みが楽しめる本格派!

純米酒

(じゅんまいしゅ)

醸造アルコールを加えておらず、米、米麹、水だけで造った酒。精米歩合の条件は特にありません。米の旨みやコクがあり、お燗にも向いているものが多いです。そのどっしりした味わいから、本格派の日本酒ファンに人気があります。

↑福島県の「会津娘 芳醇純米酒 一火」(1.8ℓ3024円)。地元の人間が地元のものと地元の手法で仕込む“土産土法”をテーマとし、やさしい米の旨みを表現しています
↑福島県の「会津娘 芳醇純米酒 一火」(1.8ℓ3024円)。地元の人間が地元のものと地元の手法で仕込む“土産土法”をテーマとし、やさしい米の旨みを表現しています

 

種類その4

精米歩合と製法に注目!

特別本醸造酒

(とくべつほんじょうぞうしゅ)

本醸造と同じく、原料は米、米麹、水、醸造アルコール。精米歩合が60%以下と本醸造酒よりも高くなっています。精米歩合が60%以上の場合でも、酒造好適米(酒税法で規定されている酒造に適した品種)を50%以上使ったものや特別な製法を使ったもの(長期発酵や特別な搾り方など)も「特別本醸造酒」と名乗ることができます。

「磯自慢 特別本醸造・特撰」(1.8ℓ 2992円 ※地元価格)。吟醸王国、静岡を代表する銘柄です。最上級の酒米として知られる兵庫県特A地区の山田錦を使い、吟醸と同等の風味に仕上げました
↑「磯自慢 特別本醸造・特撰」(1.8ℓ 2992円 ※地元価格)。吟醸王国、静岡を代表する銘柄です。最上級の酒米として知られる兵庫県特A地区の山田錦を使い、吟醸と同等の風味に仕上げました

 

種類その5

純米酒をグレードアップ

特別純米酒

(とくべつじゅんまいしゅ)

精米歩合が60%以下。純米酒と同じく、原料は米、米麹、水だけで造っています。純米酒と違うのは精米歩合に関する規定があること。精米歩合が60%以上の場合でも、酒造好適米(酒税法で規定されている酒造に適した品種)を50%以上使ったものや特別な製法を使ったもの(長期発酵や特別な搾り方など)も「特別純米酒」と名乗ることができます。

↑福島県の「飛露喜 特別純米」(1.8ℓ 2808円)。全国区の知名度を誇る銘柄。本品は、蔵元が「飛露喜を語るための1本」と位置づける通年商品で、。鮮烈な飲み口、透明感のあるボディで人気を博しています
↑福島県の「飛露喜 特別純米」(1.8ℓ 2808円)。飛露喜は全国区の知名度を誇る銘柄で、本品は、蔵元が「飛露喜を語るための1本」と位置づける通年商品です。鮮烈な飲み口、透明感のあるボディが楽しめます

 

種類その6

華やかな吟醸香が特徴

吟醸酒

(ぎんじょうしゅ)

原料は米、米麹、水、醸造アルコール。精米歩合が60%以下で、低温でじっくりと時間をかけて発酵させる吟醸造りで造られたお酒。軽快な飲み口で、吟醸香というフルーティな香りが楽しめます。

↑新潟の「村祐『和(なごみ)』吟醸」(1.8ℓ 2592円)。専務兼杜氏の村山健輔氏が2002年に立ち上げたブランド。「先入観を持たずに飲んでほしい」との思いから、酒 米や酸度などのデータを非公開とす る
↑新潟県の「村祐『和(なごみ)』吟醸」(1.8ℓ 2592円)。専務兼杜氏の村山健輔氏が2002年に立ち上げたブランド。淡麗辛口が主流の新潟にありながら、味わい深いお酒を醸しています。本品は、吟醸らしい口当たりのよさと キレの良さが魅力です

 

種類その7

華やかな香りにきれいな酒質

純米吟醸酒

(じゅんまいぎんじょうしゅ)

米、米麹、水だけを原料にして、精米歩合は60%以下。低温で発酵させる吟醸造りで丁寧に造られています。華やかな吟醸香、きれいな酒質が特徴です。

三重県の「而今(じこん) 八反錦 火入」(1.8ℓ 3240円)。は十四代、飛露喜に続く次世代 の筆頭。。香り、 酸、旨みのバランスが良く、キレも良いので、盃がどんどん進みます
↑三重県の「而今(じこん) 八反錦 火入」(1.8ℓ 3240円)。而今は十四代、飛露喜に続く次世代の筆頭です。香り、旨み、酸のバランスが良く、キレも良いので、盃がどんどん進みます

 

種類その8

香り高くすっきりとした酒質

大吟醸酒

(だいぎんじょうしゅ)

精米歩合は50%以下と、米を磨きに磨いています。吟醸酒と同様、米、米麹、水、醸造アルコールを使い、吟醸造りをさらに徹底させて醸しています。より一層華やかな香りが立ち、さらりと澄んだ酒質が楽しめます。

↑山口県の「東洋美人 地帆紅(ジパング)」(1.8ℓ 3780円)。蔵元は2013 年の水害で甚大な被害を受けたが、これを乗 り越えいまも上質な酒を造り続けている。本 品は山田錦を40%まで精米した大吟醸。
↑山口県の「東洋美人 地帆紅(ジパング)」(1.8ℓ 3780円)。蔵元は2013年の水害で甚大な被害を受けましたが、これを乗り越えていまも上質なお酒を造り続けています。本品は山田錦を40%まで精米した大吟醸。澄んだ酒質、リンゴのような吟醸香と、明瞭な米の旨みが楽しめます

 

種類その9

穏やかな香りの最高峰の酒

純米大吟醸酒

(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)

精米歩合を50%以下とし、米、米麹、水だけを原料としたお酒。吟醸造りで丁寧に醸されています。醸造アルコールを使った大吟醸酒よりも香りは穏やかで、やさしい米の甘みが感じられます。

↑山口県の「獺祭 (だっさい) 純米大吟醸 磨き二割三分」(720mℓ 5142円)。いま最も有名な日本酒。通年勤 務の社員が四季醸造を行うのが特徴 だ。徹底したデータ分析と工程管理 で品質と生産量を高め、大吟醸に特 化することで、社員に濃密な経験を 積ませている。本品は23%と驚き の精米歩合を誇る獺祭の金看板。ク リアな酒質、エレガントな芳香、上 質な余韻と、すべてに優れた1本だ。
↑山口県の「獺祭 (だっさい) 純米大吟醸 磨き二割三分」(720mℓ 5142円)。いま最も有名な日本酒。職人の経験に頼らず、社員による徹底したデータ分析と工程管理で、品質と生産量を高めています。本品は23%と驚きの精米歩合を誇る獺祭の金看板。クリアな酒質、エレガントな芳香が楽しめます

 

■精米歩合と醸造アルコールによる分類

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以上の日本酒の種類をまとめたものが上の表となります。大きく分けてポイントは2つ。①醸造アルコールを添加していないものには「純米」がつき、②低温発酵を行う吟醸造りのうち、精米歩合で60%以下だと「吟醸」、50%以下は「大吟醸」と覚えておきましょう。あとは、【タイプ別編】と合わせて覚えれば、日本酒専門の居酒屋でも臆することなく日本酒を楽しむことができるはず。もちろん、困ったときに本サイトをカンペにするのもオススメです!

 

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