コーヒー豆のミルから抽出までボタンひとつで行える全自動コーヒーメーカーは、挽きたて淹れたての一杯を手軽に味わいたいコーヒー好きのマストアイテム。ただし、「全自動」であるがゆえに豆の挽き方やドリップの仕方には限界があります。ミルの粒度や抽出する湯温を調整できる製品も出ていますが、それでもコーヒーの味にこだわる人には「ハンドドリップのような、コーヒー豆本来の味を引き出せない」という不満がありました。
高評価を集めた全自動コーヒーメーカーの大容量バージョンを徹底的にチェック
そんなジレンマを解決したのが、2018年にツインバードから発売されたCM-D457B。東京・台東区の名店「カフェ・バッハ」の店主で、日本のコーヒー界の“レジェンド”として知られる田口 護さんが監修、豆の量や粒度、水量やお湯の温度、ドリップの仕方などすべての工程に「カフェ・バッハ」の流儀が反映された製品として高評価を集めました。筆者にとって、このCM-D457Bはかなり魅力的だったのですが、毎日4~5杯のコーヒーを飲んでいる筆者にとって「最大3杯」という容量の少なさが不満でした。
そして、2019年の11月にCM-D465B(実売価格4万8880円)が登場。こちらは先述の名品CM-D457Bの大容量バージョンで、従来最大3杯だった容量が最大6杯に増加しました。これは試さないわけにはいかない…そして、どうせ試すならとことんやりたい! ということで、本機の実力を6項目にわたって徹底的にチェックしていきます。
【今回テストするのはコチラ】
ツインバード
全自動コーヒーメーカー CM-D465B
実売価格4万8880円
日本のコーヒー界のレジェンド・田口 護氏が監修したコーヒーメーカー。使う豆の量によって抽出法を変える技術を一から見直し、1~3杯用と4~6杯用でろ過層の形状が異なる2つの専用ドリッパーを開。大容量タイプで正確なハンドドリップの技術を再現しました。ミルされたコーヒー粉がフィルターに落ち、そこにお湯が注がれる様子が見える製品デザインは、ドリップ中もコーヒー好きの心をくすぐります。
SPEC●定格容量:900mL(6カップ)●消費電力:800W●ミル定格容量:約66g●粒度切替え:粗挽き/中挽き/細挽きの3段階●抽出温度:83℃/90℃の2段階●コード長:約1.4m●サイズ/質量:約W160×H425×D335mm/約4.5kg
【テストする内容はコチラ】
【その1】カップ数による味わいの違い
【その2】ミルの性能・挽き方による味の違い
【その3】豆による味わいの違い
【その4】湯温の違いによる味の違い
【その5】使い勝手
【テストその6】メンテナンスのしやすさと設置性
まずはCM-D465Bの“売り”である1杯~6杯の淹れ分け機能をチェック【その1】。取扱説明書に記載の方法でコーヒー6カップ/3カップ/1カップの3通りで抽出し、ミル~抽出のディテールとともに、出来上がりの味をチェックしました。
次にミルの「粗挽き/中挽き/細挽き」の粒度(粒の細かさ)を確認【その2】。中挽きで淹れたときと細挽きで淹れたときの味の違いも吟味しました。
また、強い酸味が特徴のコーヒー豆と、苦味の強いコーヒー豆も淹れてみて、それぞれのおいしさをうまく引き出せるかチェック【その3】。さらに、上級コーヒー店で販売されている豆を購入し、その店で淹れてもらったコーヒーの味と、同じ豆を使ってCM-D465Bで淹れたコーヒーの味の違いも見てみました。最後に、83℃で淹れたコーヒーと90℃で淹れたコーヒーの味の違いをアイスコーヒーで確認【その4】。
そのほか、コーヒーメーカーとしての使いやすさ【その5】、お手入れのしやすさや設置性【その6】も検証しています。
【テストその1】カップ数による味わいの違いをチェック
3段階の挽き分けや抽出温度の2段階切替えが可能
CM-D465Bの基本性能は最大3杯まで淹れられるCM-D457Bと同じ。豆を挽く粒度を粗挽き・中挽き・細挽きで調整でき、抽出用のお湯の温度は、豆本来の味を引き出すのに最適な83℃、深煎りの豆やアイスコーヒーに適した90℃の2段階で切り替えられます。さらに1~6杯まで、カップ数によって蒸らし湯量などを細かく調整できます。
ミルはコーヒーの風味を損なう摩擦熱を抑える低速の臼式フラットミルを採用。さらに、お湯を注ぐ角度にもこだわっており、おいしいコーヒーを淹れるためのハンドドリップの技を再現しています。ほかのコーヒーメーカーはもちろん、少々腕に覚えのある“ハンドドリップ派”もかなわない正確な「挽き・抽出」の技術で、コーヒー豆の味わいを最大限に引き出した1杯を毎回味わえる、というわけです。