人間は、歳を取るにつれて経験や知識は増えていくものだと思う。その一方で失われてしまうものもある。それが「柔軟性」だ。この場合の柔軟性は、身体が硬くなるということではなく、頭の話。思考に柔軟性がなくなってしまうように感じるのだ。
経験と知識が思考回路をじゃまする
なぜ、人生経験を積み知識も豊富な大人が、思考の柔軟性をなくしてしまうのか。それは、その経験と知識がじゃまをしているからだ。これまでの人生において蓄積したものがあると、どうしてもそこから答えを導き出すようになってしまう。そのため、自分が経験したことがないような局面にぶつかったとき、過去の経験と知識のなかから答えを探そうとしてしまう。思い当たる節があるのではないだろうか。
水平思考=ひらめき力
「いやいや、自分は歳の割に考え方は柔軟だよ」と思っている人も多いだろう。では、自分はどれくらい思考回路が柔軟なのか、ちょっと試してみようではないか。『ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ』(古川洋平・著/幻冬舎・刊)は、クイズ作家である著者が「水平思考クイズ」なるものを出題する書籍だ。
ところで「水平思考」とはなんだろうか。本書の前書きにこう記してある。
「水平思考」とは、固定概念にとらわれることなく、いろんな側面から物事を見る考え方のこと。いわゆる論理的思考力が「垂直思考力」であるならば、「水平思考力」はひらめき力とも言いかえることができるだろう。
『ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ』より引用
固定概念とは、これまでの人生における経験や知識と置き換えられる。つまり、そういうものにとらわれていると、柔軟な思考が生まれないということなのだ。
初級レベルで頭ならし
ということで、本書の中からいくつか問題を引用する。まずは初級レベルから。
黒ずくめのお芝居
あるお芝居では、おひめ様役も王子様役も、
その他の役の人も、全員黒ずくめの服を着ている。
いったいどんなお芝居だろうか?『ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ』より引用
どうだろう。ちなみに僕はすぐにわかった。
答えは「そのお芝居は人形劇だった」。ちょっと想像すれば「ああ、なるほど」と思うだろう。
ちょっと難しい中級レベル
では、中級レベル。
首の違和感
ある日、散歩に出かけていたタロウくんは、
途中で首のあたりに引っ張られるような違和感を覚えた。
いったい何があったのだろうか?『ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ』より引用
何やら事件の匂いが…。この後どうなるのだろう? 答えはこちら。
「犬のタロウくんは、元気すぎて、飼い主にリードで首輪を引っ張られた」
タロウ君と聞いて、人間と思い込んでしまうと事件にしか思えないが、タロウ君が犬であると気付けばなんてことはない。
固い頭じゃわからない上級レベル
最後は上級レベル。
逆さま新聞
新聞を読んでいると、
ある文字が上下逆さまに印刷されていた。
しかし、みんな違和感なく読んでいる。
なぜ文字が逆さまになっているにもかかわらず、
だれも違和感を持たないのだろうか?『ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ』より引用
文字が逆さまに…。ちなみに本書は、問題に必ずヒントがある。この問題のヒントは次の通り。
①逆さまになった文字は、ミスプリントではありません。
②ある枠の中の文字が上下逆さまになっています。
③逆さまになっていた文字は「金」などいくつかの文字だけでした。『ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ』より引用
ヒントを読めば「!」とひらめいた人もいるのではないだろうか。
答えは「将棋コーナーの図面だから」。なんとなくニヤリとしてしまう答えだ。
家族や友だちとやると盛り上がる!
水平思考クイズは、答えを聞いてしまえば「なあんだ」と思うようなものばかり。しかし、なかなか答えが思い浮かばない人も多いのではないだろうか。それだけ、頭が固くなっているということなのだろうか。
この水平思考クイズ、複数人でやるとおもしろいとのこと。いくつか問題を覚えて、友だちと一緒にやってみるといいかもしれない。お子さんのいるご家庭では、お子さんと一緒にやってみると、子どもの柔軟な思考回路に驚くことになるかも?
【書籍紹介】
ひらめき脳を鍛える ナゾトキ水平思考クイズ
著者:古川洋平
発行:幻冬舎
ナゾの物語の真相を斬新な発想力で解き明かす推理ゲーム。新作書き下ろし全70問。
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