夏を前にして、Appleから新製品が登場。そこで今回は、M1チップ搭載iPad Proやデザインを刷新したiMacを含め、特に注目すべき4アイテムを紹介する。
※こちらは「GetNavi」 2021年7月号に掲載された記事を再編集したものです。
中身が進化したiPad 見た目も変わったiMac
アップルは日本時間4月21日のApple Eventにて、複数の新製品を発表した。同イベントで多くの時間を割かれた製品が新しいiPad Proと、デザインを刷新したiMacだ。
新型iPad Proは、外観こそ従来モデルから大差ないものの、最新のMacシリーズに採用されるM1チップを搭載。USB Type-CポートがThunderbolt/USB 4をサポートし、5G通信にも対応するなど、仕様面ではエポックメイキングな進化を遂げた。特に、12.9インチモデルは、ミニLEDを採用し、HDRコンテンツ視聴時のピーク輝度を1600ニトに高めつつ、深みのある黒の再現も両立。プロフェッショナルなクリエーターの用途にも余裕をもって応える製品へと磨きがかけられた印象だ。
iMacはデザインを一新。カラバリ豊富なスッキリしたデザインに生まれ変わった。こちらにもM1チップが搭載されたのはサプライズ。キーボードにTouch IDを備え、磁石で着脱する電源コネクタを採用した点も注目だ。
そのほか登場した、紛失防止タグの「AirTag(エアータグ)」や「Apple TV 4K」といった新製品も見ていく。
【新製品1】最新Macと同じCPUを搭載して高性能をさらに追求
Apple
11インチiPad Pro(左)
9万4800円~(Wi-Fi)
11万2800円~(Wi-Fi+Cellular)
12.9インチiPad Pro(右)
12万9800円~(Wi-Fi)
14万7800円~(Wi-Fi+Cellular)
最新Macと同じM1チップを搭載するiPadのフラッグシップモデル。最大容量2TBが選択可能になったほか、122度の超広角インカメラを装備し、5G通信へ対応するなど、大きく進化した。12.9インチモデルがディスプレイにミニLEDを採用した点も注目だ。
SPEC ●ストレージ:128/256/512GB、1/2TB●アウトカメラ:12MP(広角)+10MP(超広角)●インカメラ:7MP(超広角)●バッテリー駆動:最大10時間(Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生)
LiDARスキャナを活用したClipsアプリにも注目
光の反射で空間を測定する「LiDARスキャナ」は継承。ver3.1の「Clips」で追加されたAR空間への効果付与にも対応する
12.9インチモデルだけ超美麗ミニLEDを採用
12.9インチモデルが搭載する「Liquid Retina XDRディスプレイ」は、HDRのピーク輝度で1600ニトを実現。従来機の液晶ディスプレイではバックライトに計72個のLEDが使われていたが、新型では極小の「ミニLED」が1万個以上散りばめられた。
●写真はイメージ
【ココが変わった新iPad Pro】
[Point1]M1チップ搭載
最新のMacシリーズと同じ高性能チップセットで動く
昨秋のMacシリーズに採用され、高い評価を受けているApple独自の「M1」チップを新型iPad Proも搭載。CPUは従来機と比較して最大50%、GPUは40%高速に。USB Type-Cポートは、Thunderbolt/USB 4もサポートした。
[Point2]5G対応
最新の通信規格サポートで場所を問わずに使いやすく
モバイル通信が行えるWi-Fi+Cellularモデルは、5G通信にも対応。対応の通信プランを契約済みなら、5G対応エリアにいると超大容量の高速通信が利用可能だ。Wi-Fiのアクセスポイントがない場所でも快適に活用できる。
[Point3]カメラ性能
静止画HDRの強化やインカメラの改良にも注目
インカメラは、新たに12MP・f/2.4の超広角カメラを搭載。ビデオ通話時にパンやズームを駆使して被写体を自動で追いかける「センターフレーム」なる新機能にも対応。アウトカメラも「スマートHDR 3」をサポートした。
【最新iPadシリーズ、比べてみました】
【プロのインプレ!】
「Pro」シリーズらしさが増した
「ミニLED採用の12.9型は、最大2TBの選択肢が追加されたように動画や写真編集、デザイン業務などを生業とする人に最適。M1搭載のMacは超快適で、iPad Proでもゲームや動画視聴の体験がリッチになると期待できます」(井上さん)
Proならではの発展性に期待
「Airとの比較になる11型は、ARコンテンツを重視するならProが買い。12.9型は超高品位なディスプレイが魅力ですが、厚みが変化した点に注意。0.5mmの差ですが、旧モデルのケース類を流用できない可能性があります」(森)
【Topic】iPhoneに新色のパープルが追加!
iPhone 12&12 miniに関しては、新色の「パープル」が追加され、4月30日に発売された。併せて、純正のレザーケースにも新色の「ディープバイオレット」が加わっている。
【新製品2】「アレどこ?」を完全に解消できるiOSの「探す」を利用するタグ
Apple
AirTag
3800円(1個)、1万2800円(4個セット)
Apple純正の紛失防止タグ。落ちている場所の近くを通った他人のiOS端末を経由して場所を知らせてくれる。内蔵スピーカーから音を鳴らすことも可能。注文時にはテキストや絵文字の刻印を無料で加えられる。IP67の防塵・耐水もサポートした。
SPEC ●バッテリー:CR2032コイン型電池●センサー:加速度センサー●サイズ/質量:φ31.9×H8mm/11g
【プロのインプレ!】慌ただしい朝の「カギどこやった?」を矢印表示で解決
「市場には様々な紛失防止タグが存在しますが、AirTagはU1対応のiPhoneならば矢印や距離表示で位置情報を確認できる点がユニークです。カギがソファの隙間に落ちてしまっているような状態でも、あと「1.7m右側」や「ここ」と、具体的に表示されるため、アイテムを容易に見つけられます」(井上さん)
【新製品3】M1搭載でTouch IDにも対応して7色をラインナップ
Apple
24インチiMac
15万4800円~
iMacの24インチモデルがM1チップを搭載し、筐体デザインも一新。ディスプレイは4.5Kで、広色域P3やTrueToneに対応する。スタジオ品質のマイクや空間オーディオ対応の6スピーカーシステムなど、ウェブ会議向けの機能も充実。
SPEC ●CPU:Apple M1●メモリ:8/16GB●ストレージ:256/512GB、1/2TBSSD●ディスプレイ:24インチ(4480×2520ピクセル)●サイズ/質量:W547×H461×D147mm/4.46kg
【プロのインプレ!】テレワークでも快適に使える仕様強化に注目
「スリムでインテリア性の高い新デザインに加え、指紋認証への対応をはじめとした新機能も魅力的。ビームフォーミング対応の3マイクアレイやウーファーの搭載、スピーカーのDolby Atmosサポートなど、オーディオ性能も強化されたのがうれしいです」(井上さん)
【新製品4】iPhoneを使ってテレビの画質を美しく調整可能に!
Apple
Apple TV 4K
2万1770円~
A12 Bionicを搭載したApple TV 4Kの新モデル。60fpsのHDRやドルビービジョン対応コンテンツをサポートする。iPhoneを使ってモニターのカラーバランスを調整する機能も新搭載。リモコンの「Siri Remote」はデザインが刷新された。
SPEC ●プロセッサー:A12 Bionic●ストレージ:32/64GB●サイズ/質量:W98×H35×D98mm/425g(本体)、W35×H136×D9.25mm/63g(Siri Remote)
【プロのインプレ!】見失いやすかったリモコンが使い勝手良く改善されている
「Apple TV用リモコンである「Siri Remote」の改良が最大の注目ポイント。ややクラシックなデザインに回帰したようにも思えますが、パッと見つけやすく、上下の向きも分かりやすい見た目に改善されていると思います」(井上さん)