富山県と福井県は良質な米と水に恵まれた地域。今回は、なかでも吟醸の造りに長けた4銘柄を紹介。黒龍や梵をはじめ、日本酒ファン垂涎の高級酒に注目です。その澄み切った味わいは、ぜひ日本海の幸と合わせて楽しみたいですね。
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富山県
酒造好適米の使用率は80%と全国でもトップクラス
穀倉地帯の富山平野をはじめ米作りが盛ん。酒造好適米の使用率は80%以上と全国トップクラスで、県内産酒米の使用率も高いです。北アルプスの雪解け水を使って醸す酒は、すっきりとしてまろやかな淡麗辛口が多いのが特徴。一人あたりの消費量は年約6.86ℓで、全国5位となっています。
富山県その1
優雅な立香に加えきらびやかな風味を堪能
富美菊酒造[富山市]
羽根屋(はねや)
純米吟醸 煌火(きらび) 生原酒
3110円(1.8ℓ)
普通酒を除いて、米の吸水や麹の処理を少量単位で行うなど、丁寧な作業で仕込む蔵。羽根屋は特定名称酒のみで、一部特約店だけで流通するレアな銘柄です。本品は洋ナシのように優雅な立香で、きらびやかな風味が堪能できます。
蔵元が語る地元との関わり
富山県産の山田錦を使って新酒鑑評会で金賞を受賞
富山県の農業を応援したいとの思いから、県産米の使用にこだわった酒造りをしています。全国新酒鑑評会でも、富山県産の山田錦を使って金賞を受賞しました。
地元に来たらコレと合わせて!
◉ ホタルイカの料理
◉ ブリしゃぶ料理
◉ 富山のかまぼこ
富山県その2
フルーティな香りと気品ある芳醇な味わい
桝田酒造店[富山市]
満寿泉(ますいずみ)
大吟醸 寿(ことぶき)(木箱入)
1万1880円(1.8ℓ)
富山湾に注ぐ神通川の河口に位置し、かつて在籍していた能登杜氏四天王、三盃幸一氏の技と伝統を受け継ぐ蔵。本品は、最高を目指して醸した大吟醸で、フルーティで華やかな香りと、気品ある芳醇な味わいが堪能できます。
蔵元が語る地元との関わり
富山の新鮮な食材に負けない酒造りを目指す
富山はシロエビ、ホタルイカ、寒ブリなどの新鮮な食材の宝庫。これらに負けない酒を目指して造っています。また、より良い酒米が造れるよう、契約栽培農家とは年に数回、情報交換を行っています。
地元に来たらコレと合わせて!
◉ 魚の昆布〆
◉イカの黒作り(イカの塩辛にイカ墨を混ぜたもの)
福井県
ミネラル豊富な伏流水と五百万石で辛口の酒を醸す
白山を水源とするミネラル豊富な伏流水に恵まれ、福井平野などでは酒造好適米・五百万石を多く栽培。酒質は、辛口が多い傾向に。1988年には福井産の酵母・ふくいうらら酵母が開発され、これを使用する蔵元も多いです。
福井県その1
食事を引き立てる軽やかな辛口酒
黒龍酒造[吉田郡永平寺町]
黒龍(こくりゅう)
大吟醸 龍(りゅう)
8640円(1.8ℓ)
永平寺のある永平寺町で、200年以上前から高品質の酒を醸し続ける蔵元。「黒龍 石田屋」「黒龍 二左衛門」(720ml 各1万800円)など、日本酒ファンが憧れる幻の日本酒を醸すことでも知られています。こちらはワインの熟成を日本酒に応用し、1975年に発売した大吟醸。華やかな吟醸香を備えた軽やかなボディの辛口で、食事をより引き立ててくれます。
蔵元が語る地元との関わり
ラベルや化粧箱に福井の特産品を採用
パッケージに福井県の特産品を採用。坂井市丸岡町で盛んな「織ネーム」や、1500年もの歴史を持つ越前市の「越前和紙」などをラベルや化粧箱に取り入れています。
地元に来たらコレと合わせて!
◉ 越前ガニ
◉九頭竜川の鮎の塩焼き
◉越前おろしそば
福井県その2
100mℓ約1000円! 究極の精米歩合を誇るスパークリング大吟醸
加藤吉平商店[鯖江市]
梵(ぼん) プレミアムスパークリング
7560円(750㎖)
純米吟醸のみを醸す蔵。本品は、20%と究極の精米歩合を誇り、上品な香りと超ミクロの泡が楽しめるうすにごり生原酒です。旬の搾りたて生原酒を酵母とともに瓶に封じ込め、瓶内二次発酵させてから-10℃で氷温熟成しました。
蔵元が語る地元との関わり
契約農家の米のみを使い自社酵母で純米吟醸を醸す
契約農家からの山田錦、五百万石のみを使い、自社酵母で純米吟醸を醸しています。すべてのお酒は氷温で1〜10年熟成させ、旨みがのってから出荷しています。
地元に来たらコレと合わせて!
◉ 越前ガニ
◉越前そば
◉へしこ(サバのぬか漬け)