遊園地の乗り物にでもありそうな、おしゃれでレトロなモビリティカー。時速約13kmで走行可能なこの乗り物は、英国に住む92歳のおじいさんの手作りの作品です。
ヴィン・ウォードマンさん(92歳)は、英シュロップシャー州で暮らす元鉄道員。自宅の小屋で1日8時間こもって、3か月の時間をかけてできあがったのが、ヴィンさんお手製のモビリティカーです。
この作品のベースとなったのは、1968年に公開された映画『チキ・チキ・バン・バン』。英国の作家、イアン・フレミングの童話をもとにしたもので、発明家のポッツと、ボロボロだけれどファンタジーの冒険に連れ出してくれる魔法のクルマが登場するストーリーです。ヴィンさんがインスピレーションを得て手がけたのは、その映画に出てくる「チキ・チキ・バン・バン」と名付けられたクルマのレプリカ。
ごみ捨て場で見つけた車いすの車輪をベースに、eBayで購入したスクーターや、チャリティショップで買った額縁などをフロントガラスとして取り付けました。材料として使ったのは、ガラクタ品や安価なものばかりのため、かかったお金は全部で400ドル(約6万3000円※)にも満たないといいます。まさに同映画に出てくるおんぼろカーかもしれませんが、夢やロマンがギュッと詰まった乗り物です。
※1ドル=約156円で換算(2024年11月15日現在)
これまでも、さまざまな模型を作ってきたというヴィンさん。ときには、朝8時から午後4時まで夢中になって、模型作りに勤しんできたそう。「ペースメーカーを装着しているけれど、小屋で1日過ごしても気分は悪くない」と話していますが、92歳になったいまは「このチキ・チキ・バン・バンが最後の作品になると思う」と話しています。
【主な参考記事】
New York Post. Great-grandfather builds Chitty Chitty Bang Bang mobility scooter. November 13 2024