梅雨が明けると、夏本番。毎年夏になると、いろいろなところへ撮影に出かけたりする。やはり夏らしい景色を撮影すると、色鮮やかな「夏らしい」写真に仕上げたくなる。
Lightroom Classic CCでベルビア調に現像するには
最近のデジカメは、色鮮やかに映す「風景」や「鮮やか」といったモードがあるが、どことなくデジタル臭さが残る。やはりRAWファイルで撮影して自分で現像処理をしたほうが、狙った鮮やかさになるはずだ。
『CAPA 2018年7月号』(CAPA編集部・編/学研プラス・刊)に「夏風景を“印象的”な色に仕上げるRAW現像テクニック」という記事が掲載されている。この記事では、RAW現像ソフト「Lightroom Classic CC」を使って、ポジフィルムの「ベルビア」調にする方法を解説している。
ベルビアとは、鮮やかで深い色味のポジフィルムで、主に風景写真などに使われることが多い。それをデジタルで再現しようということだ。
ポイントは「緑」の設定にあり
大まかな流れは、まず標準的な色合いに設定し、そこから彩度をアップ。その後、赤、青、緑それぞれに色に対して「色相」「彩度」「輝度」を個別に調整していくというもの。その際、赤、青は鮮やかにするものの、「緑」は調整が異なる。
ポイントとなるのは「緑の作り方」だ。鮮やかにするのではなく、「シアン寄りの緑」を目指して「彩度」と「輝度」を下げ気味の調整を意識する。派手な赤と青に対して、緑で落ち着きを出すというイメージだ。
(『CAPA 2018年7月号』より引用)
赤、青、緑ともに彩度をアップしていくと、一見鮮やかな写真になるが、いかにも「デジタルの力で鮮やかにしてました!」という感じになってしまう。それを避けるために、あえて緑は地味めに調整することで、デジタルらしさを消すのがポイントということだ。
粒子を追加してフィルムの風合いを出す
このほか、フィルムっぽさを出すために粒子を追加するとよいとのこと。僕もこれは試してみたことがあるのだが、ちょうどいい感じにならなかった。これについては設定が載っていた。
デジタルっぽさを払拭する機能が、粒状感を出す「効果」パネルの「粒子」機能。「サイズ」と「粗さ」を最大にして粒立ちを大きくして、「適用量」で粒子の濃さを調整するのがコツ。軽く適用することで、デジタル特有の繊細で先鋭な画質を、あいまいで柔らかな描写にすることができる。
(『CAPA 2018年7月号』より引用)
ポイントは粒子のサイズと粗さを最大にすること。これは知らなかった。今度からはこれを試してみたいと思う。
平成最後の夏を印象的に残そう
デジタル一眼レフを使っている人のなかには、RAWで撮影して現像を楽しんでいる人もいることだろう。もし、Lightroom Classic CCを持っているのなら、以上の設定を試してみると、夏らしい鮮やかな写真に仕上げることができるはずだ。
また、他の現像ソフトでも設定の概念は一緒なので、同じような設定を試してみると役立つだろう。
平成最後の夏を、印象的な写真に残そう。
【書籍紹介】
CAPA 2018年7月号
著者:CAPA編集部
発行:学研プラス
デジタル一眼カメラや交換レンズ、周辺機材の最新情報が満載。豊富な作例とわかりやすいハード記事で、多くの一眼カメラファンの支持を集める。撮影テクニック記事やプロ写真家の作品紹介、充実したフォトコンテスト記事も人気。