購入検討時にまずチェックすべき3つのポイント
【チェックポイント1】モニター(液晶)の仕組みとEVFの有無
今回の5モデルはすべて液晶可動に対応していますが、可動の向きと角度には違いがあります。
オリンパス E-PL9 | キヤノン EOS Kiss M | ソニー α6300 | パナソニック GF10/GF90 | 富士フイルム X-T100 | |
背面モニター | チルト式 | バリアングル式 | チルト式 | チルト式 | 3方向チルト式 |
タッチパネル | 対応 | 対応 | なし | 対応 | 対応 |
EVF | なし | 搭載 | 搭載 | なし | 搭載 |
まず上下方向のみに可動するチルト式は、E-PL9とα6300、GF10/GF90の3台が採用。このチルト式は、液晶の中心がレンズの光軸に近いため撮影時の視線移動が少なく、フレーミングがしやすく感じることや、ワンタッチで素早く可動できることなどがメリットといえます。デメリットは、カメラをタテ位置に構えた場合には可動が役に立たないこと。またα6300は液晶が反転しないため、自分撮りには非対応です。
一方でEOS Kiss Mは、左右と上下に可動するバリアングル式を採用。このバリアングル式は、カメラのヨコ位置でもタテ位置でも液晶可動が自由に使え、自分撮りも可能です。弱点は、素早く撮影したいときに液晶を開く手間がややかかることです。また、液晶の中心がレンズの光軸からズレるため、特にマクロ撮影や動体撮影の際、構図の微調整がやりにくい場合があります。
ユニークなのは、3方向チルト式という新基軸を採用したX-T100です。この方式では、ヨコ位置で撮る際は、通常の上下チルト式のように使用し、タテ位置撮影や自分撮りの際は、横方向にもチルトできます。チルト式とバリアングル式の利点を兼ね備えた仕組みといっていいでしょう。
また、スマホの操作に慣れている人であれば、タッチパネル搭載の有無についても確認しておくとよいでしょう。
EVF(電子ビューファインダー)については、EOS Kiss Mとα6300、X-T100が搭載し、E-PL9とGF10/GF90は非搭載となります。
EVFが必要か必要でないかは、用途や使用レンズによって違ってきます。主に標準ズームを利用して気軽なスナップを撮るだけであれば、EVFの必要性をあまり感じないかもしれません。非搭載の2台は、ほかの3台に比べてボディがいっそう小さく軽く、携帯性と取り回しの面で有利です。
ただし、強い日差しでの屋外撮影や逆光撮影など、液晶モニターが反射して見えづらくなる条件下ではEVFがあると助かります。また望遠ズームなど焦点距離が長いレンズを使って動きのある被写体を撮る際も、液晶モニターよりもEVFのほうが画面が安定し使いやすく感じることが多いはずです。自分の撮影用途や撮影スタイルを考慮して判断するといいでしょう。
【チェックポイント2】センサーの仕様とレンズマウント
撮像素子(イメージセンサー)は、E-PL9とGF10/GF90が4/3型(マイクロフォーサーズ)の1600万画素クラスを採用。EOS Kiss Mとα6300、X-T100は、より大きなAPS-Cサイズの2400万画素クラスとなっています。それぞれどんな画質が得られるのかは、次回の実写編で詳しくチェックします。
オリンパス E-PL9 | キヤノン EOS Kiss M | ソニー α6300 | パナソニック GF10/GF90 | 富士フイルム X-T100 | |
センサーサイズ | 4/3型(マイクロフォーサーズ) | APS-C | APS-C | 4/3型(マイクロフォーサーズ) | APS-C |
有効画素数 | 1605万画素 | 2410万画素 | 2420万画素 | 1600万画素 | 2424万画素 |
レンズマウントについては、交換レンズがどれほど充実しているか、自分が使いたいレンズが揃っているか、といった点がポイントになります。
【チェックポイント3】記録メディアとバッテリー持久力
記録メディアは、GF10/GF90が小型軽量ボディ優先のためmicroSDメモリーカードを採用。それ以外の4台は、一般的なSDメモリーカード(UHS-I 対応)となっています。
オリンパス E-PL9 | キヤノン EOS Kiss M | ソニー α6300 | パナソニック GF10/GF90 | 富士フイルム X-T100 | |
記録メディア | SD | SD | SD | microSD | SD |
撮影可能枚数 | 約350枚 | 約235枚 | 約350枚 | 約210枚 | 約430枚 |
USB給電 | 不可 | 不可 | 対応 | 対応 | 対応 |
電源は、撮影可能枚数の目安(CIPA規格準拠)をチェックしましょう。今回の5モデルでは、約210枚のGF10/GF90が最も少なく、約430枚のX-T100が最も優秀です。
またUSB充電に対応しているか否かも使い勝手を左右するポイントのひとつです。α6300とGF10/GF90、X-T100の3台はUSB充電ができ、E-PL9とEOS Kiss Mは非対応となっています。
このように基本仕様をチェックしていくだけでも、機種ごとに大きな違いや個性があることがわかります。何もかもが完ぺきなカメラというものはありません。自分の使い方に最もマッチする1台を探してみましょう。次回は実写編をお届けします。
協力:楽天市場