AV
2019/12/18 18:15

「ポター1グランプリ 2019」の栄冠は誰の手に!? 読者が選んだ「今年のNo.1オーディオ」はコレだ!

ポータブルオーディオの祭典「ポタフェス」が、とうとう令和元年最後を締めくくる冬の陣を迎えました。本年もベルサール秋葉原にて12月15〜16日に開催。ここで発表されるのが、ポータブルオーディオアイテム年間ナンバーワンを読者投票によって決める「ポタ-1グランプリ」です。GetNavi主催で年に1度開催され、オーディオ評論家や識者ではなく、読者の生の声のみで総合グランプリから各部門賞までが決められる、いわばガチンコなアワードといえます。

↑東京・秋葉原で開催された「ポタフェス2019」

 

表彰式には、今回、初司会を担当した声優の桐谷蝶々さんに加え、解説にAVライターの野村ケンジさんが登場して会場を盛り上げました。第2部には声優でオーディオマニアの小岩井ことりさんと桐谷蝶々さんのライブが、第3部ではメーカースタッフと小岩井ことりさんを交えたトークショーが行われました。今回は、第1部の表彰式の様子をお届けします。

↑開会のあいさつをしたのはGetNavi統括編集長の正田省二氏

 

↑解説はAVライターの野村ケンジ氏

 

↑声優の桐谷蝶々さんはなんと司会に初挑戦。GetNavi編集部の川内一史さんと息の合った司会っぷりを見せてくれました

 

ワイヤレスヘッドホンもノイキャン搭載が人気

最初に発表されたのは、ワイヤレスヘッドホン部門。1万円以下のジャンルは、野村さんによれば100から120の製品がひしめく激戦区とのこと。そこで選ばれたのがオーディオテクニカATH-WS330BTです。「このモデルは型番からは分かりにくいですが、重低音モデルと呼ばれる低音重視型の製品で、しかも薄型ボディを実現しています」と野村さん。1〜3万円と3万円以上ジャンルはいずれもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したモデルが選ばれました。パイオニアのS9シリーズはクラシカルなデザインのボディに先進機能を搭載、Boseの700番は鉄板中の鉄板のノイキャンモデルと野村さんはコメントしています。

 

【ワイヤレスヘッドホン部門】

1万円未満 オーディオテクニカATHーWS330BT
1〜3万円 パイオニアSE-MS9BN
3万円以上 Bose Noise Canceling Headphones 700

 

 

ワイヤレスイヤホンはソニーが強い

ワイヤレス部門で強かったのがソニーでした。1〜2万円と2万円以上でネックバンドと呼ばれるデザインの2モデルが受賞。いずれもノイズキャンセリング機能を搭載しています。1万円未満の部に選ばれたタオトロニクスは聞き慣れないメーカーですが「昔からあった音質よりも低価格をウリにしたハイコスパな製品を作る中国のメーカーでしたが、ここ1〜2年で急激に音質を向上させてきましたね。現在は高音質、低価格で勝負しています」と野村さん。2020年はタオトロニクスがさらにソニーを脅かすのか、ソニーの逆襲はあるのか、この動きに他のメーカーも追従してくるかどうか、来年も目が離せません。

 

【ワイヤレスイヤホン部門】

1万円未満 TaoTronics TT-BH07S
1〜2万円 ソニー WI-C600N
2万円以上 ソニー WI-1000XM2

 

完全ワイヤレスイヤホンには鉄板モデルが登場

完全ワイヤレスは大人気のジャンル。「ソニーWF-1000XM3は鉄板モデルですね。この下の1〜2万円には100近いモデルがある激戦区で、オーディオテクニカが選ばれたのはすごいことですね。これまた重低音モデルで完全ワイヤレスで重低音というのはなかなかないので貴重なモデルです。そして、1万円以下のアンカーは先ほどのタオトロニクスと同じ新たな戦略を採る中国のメーカーです」と野村さん。2019年、完全ワイヤレス部門にも中国系メーカーが進出して来ました。

 

【完全ワイヤレス部門】

1万円未満 Anker Soundcore Liberty Air
1〜2万円 オーディオテクニカATH-CKS5TW
2万円以上 ソニーWF-1000XM3

 

ワイヤードヘッドホン部門には野村さんの愛機が

ワイヤードヘッドホン部門は価格帯で2部門に分かれています。ヒートアップする部門なので、もっと細かく分けるべきと野村さんの語りにも熱が入ります。「どちらのモデルも納得ですね。特に10万円以上のD8000 Proは、音にすばらしさに我慢できず私も購入しました。45万円もしたのですが……皆さんもぜひ購入して僕と仲間になりましょう!」と野村さん。ATH-WP900に関しては「8万円と高額モデルですが、こちらも買ってしまいそうです。かなりオススメのモデル。アラウンドイヤータイプなのでモバイルでの使用にも向いています」とのことでした。

 

【ワイヤードヘッドホン部門】

10万円未満 オーディオテクニカATH-WP900
10万円以上 final D8000 Pro Edition

 

ワイヤードイヤホンは激戦区!

ワイヤードイヤホン部門は、1万円未満モデルだけでも250ぐらいあるという激戦区、このなかでfinalが選ばれたのはかなり凄いことだという。「finalにはE1000ではなくE500という選択肢もあり、E2000、E3000というモデルもあります。その中から、E1000が選ばれたこと自体、皆さんが真剣に選んでいるという姿勢が感じられました」と野村さんも驚きを隠せないようでした。

 

【ワイヤードイヤホン部門】

1万円未満 final E1000
1〜10万円 ゼンハイザーIE 40 PRO
10万円以上 ソニーIER-Z1R

 

eスポーツブームで注目が高まるなか、今回から新設されたゲーミングヘッドセット部門はオーディオテクニカの製品が選ばれました。

 

【ゲーミングヘッドホン部門】

オーディオテクニカATH-G1

 

鉄板と変わりダネが登場

ワイヤレススピーカー部門には、鉄板中の鉄板と野村さんが太鼓判を押す、JBLのFLAPシリーズの進化を続けた最新版のバージョン5が受賞しました。ソニーLPX-S2に関しては「これは、お洒落な照明器具にスピーカーが付いているというモデルです。音を聞かれたことのある人は分かると思いますが、実は本格的な音が出ます。侮れません」とコメントしていました。

 

【ワイヤレススピーカー部門】

2万円未満 JBL FLIP5
2万円以上 ソニーLSPX-S2

 

携帯プレーヤー部門はストリーミング対応が鍵

携帯プレーヤーは3部門中2部門がソニーという結果に。「選ばれたソニーの2モデルはいずれもAndroidOSを採用して、音楽のストリーミング配信に対応しています。一般的にこのようなプラットフォームの変更は音質劣化を招くのですが、どちらも音質が向上しています。悔しいですが、さすがソニーと言わざるを得ません」と野村さんもソニーの技術力に舌を巻いていました。1位のSP2000に関しては、「非常に高価ですが、このモデルにしか再現できない世界があるので、皆さんも1度聞いてみて欲しい」とコメント。

 

【携帯プレーヤー部門】

4万円未満 ソニー ウォークマンNWーA105
4〜10万円 ソニー ウォークマンNW-ZX507
10万円以上 Astell&Kern A&ultima SP2000

 

このほか、審査員特別賞としてGLIDiC「Sound Air SPT-7000」や、NUARL「N6シリーズ」など5つの製品およびシリーズが受賞しました。

 

【審査員特別賞】

GLIDiC Sound Air SPT-7000

M-SOUNDS MS-TW3

NUARL N6シリーズ

オウルテック Samu-SE04

harman/kardon FLYシリーズ

 

2019総合グランプリはノイキャン効果抜群のあのイヤホン

2019年を締めくくるポタ-1グランプリ総合グランプリの栄冠に輝いたのは、完全ワイヤレスイヤホン2万円以上のカテゴリで受賞したソニーWF-1000XM3になりました。昨年はノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM3が受賞しており、これでソニーは3連覇を果たしたことになります。

↑GetNaviの正田統括編集長が総合グランプリを発表

 

【総合グランプリ】

ソニーWF-1000XM3

 

会場には、同製品を手掛けたソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツの商品設計部門プロジェクトリーダー大橋篤人さんと音響設計担当大里祐介さんが招待され、受賞の喜びを語ってくれました。

↑GetNaviの正田統括編集長よりトロフィーが授与されました(右側手前が大橋篤人さん、奥が大里祐介さん)

 

「使っていただいている皆さんの投票で選ばれたことを嬉しく思っています。完全ワイヤレスモデルに高性能なノイズキャンセリング機能を搭載したことが、皆さんの支持を受けた理由ではないでしょうか」(大橋さん)

↑受賞の喜びを語る大橋さん

 

また、ノイズキャンリングと音質の両立で苦労された点は?と聞かれて、大里さんは「完全ワイヤレスはイヤホンの部品以外にBluetoothのチップや電池も搭載する必要があり、それでサイズが大きくなると装着感が変わってしまうので、色々な部品を納めるのが大変でしたね。多くの人が関わっていたので人間関係を収めるのにも大橋が苦労したと思います」とユーモアを交えてコメントし、会場を沸かせていました。

 

授賞式後にオープンしたGetNaviブースには、総合グランプリを受賞した「WF-1000XM3」のほか、最新の完全ワイヤレスイヤホンやノイズキャンセリングヘッドホンなどが展示され、自由に試聴できるようになっていました。また、今回のポタ-1グランプリの受賞製品一覧も展示され、来場者の注目を集めていました。

↑GetNaviブースには総合グランプリのWF-1000XM3をはじめ、最新のオーディオが多数展示されていました

 

↑ポタ-1グランプリ2019受賞結果もいち早く掲示していました

 

【ギャラリー(GetNavi webでご覧いただけます)】

 

【この記事を読んだ方はこちらもオススメ】

定番ブランドから中華メーカーまで「ポタフェス2019冬」で気になる製品を聴きまくり!

ネットで見かける「中華ブランド」ってどうなの? 「ポタフェス2019冬」で注目アイテムを一挙聴き!

 

撮影:我妻慶一