キヤノンは、スマホライクな縦型デザインのVlogカメラ「PowerShot V10」を6月下旬に発売します。カラーはブラックとシルバーの2色を用意。5月11日より予約を開始し、キヤノンオンラインショップでの実売価格は税込5万9950円です。また、トライポッドグリップが同梱されたキットは税込6万5450円。
スマホライクに高画質動画を撮影できる
PowerShot V10は、1.0型1310万画素のCMOSセンサーを搭載した動画専用カメラ。スマホで撮影するように片手で撮れる縦型デザインを採用するほか、-30度~30度まで角度調整ができるスタンドを備えており、三脚を用意しなくてもこれ1台で手軽に動画の撮影が可能です。本体には大口径マイクを内蔵しており、クリアな音声で撮影者の声や周囲の音を録音できます。
独自の映像エンジン「DIGIC X」により高画質な4K/30p、フルHD/60pの動画撮影が可能。レンズはワイドに撮れる焦点距離19mm相当で、撮影者を含めた自撮り撮影も手軽にできます。加えて、歩きながらの撮影でもブレを抑える「手ブレ補正動画」機能も備えています。
さらに、キヤノン初搭載となる「美肌動画モード」や14種類のカラーフィルターを備えるなど、スマホで撮影するユーザーを意識した機能も搭載しています。
Wi-Fi/Bluetoothでスマホとの無線接続に対応しており、スマホと連携してリアルタイム配信も可能。自宅のWi-Fi回線に接続してのインターネット接続やクラウドサービスへの自動アップロードが可能なほか、PCとUSB接続してwebカメラとして利用することもできます。
本体はW63.4×D34.3×H90mmのコンパクトサイズで、質量はわずか約211gとスマホ並みの軽さを実現。バッテリー内蔵式で、4K/30pで約55分、フルHD/60pで約1時間20分の撮影が可能です。
拡大する動画市場をターゲットに、「手軽さ」を強調
キヤノンマーケティングジャパン カメラマーケティング本部カメラマーケティング部の島田正太チーフは、本製品が拡大するVlog(Video Blog)市場をターゲットにしていることを説明。同社の調査によると、日ごろから動画を撮影している人のうち動画をSNSや動画サイトなどに投稿している人は4分の1ほど存在しており、その約半数の人がVlog動画を投稿しているとのこと。年齢では20代後半~30代が中心で、撮影はスマホを使う人が多いそうです。
スマホ撮影者の多くは、スマホで手軽に動画撮影できることに満足している一方で、「動画撮影でスマホのバッテリーを消費したくない」「スマホのストレージを圧迫したくない」「画質に満足できない」といった不満を感じており、撮影機材の購入意欲は高いとのこと。
そこで同社では製品の開発にあたり、「誰でも扱いやすいスタイルをゼロから作り上げた」と説明し、スマホライクでありながらカメラとしては本格的なスペックで、スマホよりワンランク上の高画質、高音質な撮影を求める層に対してアピールします。
また、これまでデジタル一眼カメラなどで本格的な動画を撮影してきたユーザーに対しても、「スタンド装備で三脚不要な手軽さ」や「街中や店内で撮影していても目立ちにくいコンパクトサイズ」「内蔵マイクだけでも高音質な音声で記録可能」といった点を訴求し、買い替え・買い増し需要にアピールします。
これまで同社のラインナップではプロ~ハイアマチュアなど本格的な動画撮影をする層に向けた製品が多く、スマホで動画撮影するライト層とは住み分けてきた印象がありましたが、まったく新しいスタイルのVlogカメラを投入することで、拡大する動画市場でより幅広いユーザーにアプローチしていく姿勢を見せました。スマホ主体で撮影するユーザー層の関心をどれだけ集められるか、注目したいところです。
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