これは自慢の肉じゃがを振る舞った相手の反応でした。自信ですか? ええ、結構あったんです。「味見した?」なんて言われて、悲しいというよりも悔しかったことを昨日のように覚えています。
みなさんは料理をするとき、調味料をちゃんと計って入れていますか? 私は「なんとなく」で入れてしまっていたのですが、どうやら調味料には黄金比があって、その比率で料理をすれば美味しくなるって言うじゃないですかっ(笑)。今回は「365日料理じょうずの味つけ黄金比」(著・杵島直美/刊・泉書房)より、料理上手になれる調味料の黄金比をお伝えします。もう、味が薄いとか言わせないっ!
比率を制する者が料理を制する!
私は今まで、調味料は目分量で入れていまして……計量して作ったことがありませんでした。しかし「味、うっす!」事件以来、レシピ本に書いてある通りに作るようにしたところ、あら不思議! 美味しいと思える回数が格段に増えたのです。
でもよく考えてみたらそうですよね。料理を家を建てるまでの工程に例えるなら、レシピは設計図ですから、計量せずに料理を作るなんてのは、設計図を見ないで家を建てるのと一緒! また、いい素材、調味料を揃えても比率を間違えてしまっては、もう欠陥住宅状態です。「なんか料理が微妙だなー」「なんでいつも何か足りないんだろ」とお悩みの皆さん! 今すぐ、計量スプーンをゲットして、味付けの黄金比をマスターしようではありませんかぁ!!
ちなみに、
計量スプーンは、大さじ1は15ml、小さじ1は5ml、計量カップは200mlです。
「少々」は親指と人差し指でつまんだ量を目安にしてください。
(『365日料理じょうずの味つけ黄金比』より引用)
とのことですので、「家にあるカレー用スプーンでいいやぁ~」という方! 要注意です。
人気おかずが勢ぞろいの「3:1:1:1」
では、さっそくレシピを紹介して参りましょう。
「3(しょうゆ):1(砂糖):1(みりん):1(酒)」で作れるのは、きんぴら・肉じゃが・親子丼など定番レシピが勢ぞろいしています。こちらの比率は、作る分量に合わせて変えるようにしてください。今回は「3:1:1:1」の比率で作る「ぶり大根」の材料をご紹介します。
材料(2人分)
ぶり切り身 2切れ
しょうが 1片
大根 300g
【A】しょうゆ 大さじ3、砂糖 大さじ1、みりん 大さじ1、酒 大さじ1
(『365日料理じょうずの味つけ黄金比』より引用)
作り方は、四つ切りにしたぶりと、1.5cmの輪切りにし下ゆでした大根を準備します。
水1/2カップと【A】を煮立てた鍋にしょうがとぶりを入れ、5分ほど煮て、ぶりを取り出します。
大根を加えて水1カップを注ぎ、蓋をして20分、ぶりを戻し3分煮たら完成です。
お袋の味なら「3:0:1:1」
次にご紹介するのは、ひじきの煮付け・切干大根などで使える「3(しょうゆ):0(砂糖):1(みりん):1(酒)」の比率です。こちらでは、鶏のから揚げの材料をご紹介しましょう!
材料(2人分)
鶏もも肉 1枚
レモン(くし型切り) 2切れ
【A】しょうゆ 大さじ3、みりん 大さじ1、酒 大さじ1
【B】小麦粉 大さじ1、片栗粉 大さじ1
(『365日料理じょうずの味つけ黄金比』より引用)
作り方は、鶏肉を8切れにし、Aと水大さじ2を回しかけ、15分おいて下味をつけます。肉の汁気をとり、Bの衣をまぶし、170度の油で揚げれば出来上がり!
『365日料理じょうずの味つけ黄金比』には他にもピクルスやチリソースの黄金比や、エビチリに使えるケチャップソース、洋風のレシピで使えるホワイトソースなどなど様々な黄金比が紹介されています。
調味料は「比率」です! 勘に頼れるようになるまで、まずはしっかり計量して料理上手を目指しましょう!
【参考文献】
365日料理じょうずの味つけ黄金比
著者:杵島直美
出版社:泉書房
黄金比とは芸術やデザインの世界で、その物がもっとも美しく見える、調和の取れた比率のこと。「美しい比率」を「おいしい味つけの比率」に置き換えると、多くの料理に共通する、美味しい調味料の割合があることが本書を読めばよく理解できます。
例えば、肉じゃがときんぴらごぼう、これらの調味料の味つけの比率はまったく同じものです。その他にも炒り卵、炒り鶏、親子丼も同じ味付けです。こうした味つけのバランスが身につけば、必ず美味しい料理が作れます。味つけに悩む全ての人にオススメです。